問題児、ホアン・フランシスコ内野手(27)が巨人の二軍ベンチから救いの手を差し伸べられた。

 14日のジャイアンツ球場は明らかに普段と様子が違った。イースタン・ロッテ戦前の練習中、球場内には軽快なリズムのラテン系音楽が延々と流れていた。普段はJ―POPなどが多いため、違和感を感じた選手が「ん?」とスピーカーに目をやる場面も。実は岡崎二軍監督による取り計らいだったそうでチーム関係者は「監督がフランシスコのためにも流してあげれば?と考えたんです」と明かした。

 拙守連発と三振の山を築いてナインの怒りを買った新助っ人はわずか5試合で二軍落ち。ふてぶてしく映る態度と無礼な言動は収まらず、ファームでもすっかり浮いた存在となっていた。そこでまずはフランシスコを懐柔しようと動いたわけだ。

 その狙いは的中した。強い日差しが照りつける中でのラテンミュージックに、フランシスコは母国のドミニカ共和国を思い出したのかノリノリ。打撃練習の合間に歌詞を口ずさみ、リズムに合わせて小躍りだ。そして練習後の試合でも7回に右翼線へ痛烈なライナーを飛ばし、188センチ、111キロの巨体を揺らしながら貴重な同点適時二塁打。延長11回には“キューバの至宝”セペダが猛打賞となるサヨナラ二塁打を放ち“G球場ラテン化計画”が早くも効果を発揮した。