巨人の正捕手問題は、結局どういう形に落ち着くのか。14日の広島戦(東京ドーム)では、前日一軍に復帰した阿部慎之助(36)が2試合連続のスタメンマスク。復帰後初安打を含む2安打と気を吐いたが、チームは4―5で敗れた。

 実松と加藤が二軍へ降格し、現在は一時的に捕手2人制を敷いているため、阿部の故障中にマスクを任されていた小林は、有事に備えたベンチ要員に逆戻り。一方、二軍では右太もも肉離れでリハビリ中だった相川が順調な回復を見せており、一軍昇格間近となっている。

 開幕直後、原監督は相川の故障という“緊急事態”を理由に「99%ない」としていた阿部の捕手復帰を決断した。その際に指揮官は、相川が復帰した場合は阿部と改めて話し合いを持つとしていた。

 緊急事態ではなくなれば、阿部を一塁へ戻すのが自然な流れだが、チーム状況は変わっている。一塁手のフランシスコを獲得したことでも明らかなように、阿部の捕手続行はほぼ確実な状況だ。

 ただし、そうなると若い小林はどうなるのか。「慎之助を戻すと決めた以上、正捕手は慎之助。かといって、相川も慎之助の一塁転向と、レギュラー争いを条件に獲得した経緯があるだけに、出番を与えようとするでしょう。そうなると、ベテラン2人がまた故障でもしない限り、小林の出場機会は激減するのでは」(チームスタッフ)

 2戦連続フル出場の阿部は、さすがに疲れの色を隠せず、マルチ安打にも「ふぅ…」と深くため息をついて「頑張ります」。それでも巨人の扇の要は、今後も背番号10が務めることになりそうだ。