不敗ルーキーについに土がついた。巨人・高木勇が10日のDeNA戦(新潟)に先発し、8回途中11安打4失点で降板。チームは2―4で敗れ、7試合目にしてプロ初黒星を喫した。

 初回に大田の適時打で先制したが、2回にバルディリスに適時二塁打を許して同点。3回には筒香の左前適時打で逆転された。

 中盤以降は落ち着きを取り戻し、打線も井端の適時打で一時は同点に追いついたが…。原監督は8回、先頭の小林に代打・長野をコール。その長野が遊ゴロに倒れると、高木勇をそのまま打席へ向かわせた。斎藤投手コーチは「チョーさん(長野)が二塁打を打つとかビッグチャンスになったら代打というのも考えていたけど…」と語ったが、この策が結果的に裏目に出た。

 続投の高木勇は、その裏に勝ち越しを許し、さらに暴投で4点目を献上したところでマウンドを降りた。

 自身の開幕からの連勝が5で止まった高木勇は「負けるということは、ファンに申し訳ない。球の力は(終盤も)変わらない。まだまだ勝負できたし、ギアも上げられただけに、失点したのは残念」と悔しさをにじませた。

 とはいえ原監督が「しっかり立て直していましたけどね。よく試合も作っているし、まずまずだと思う」と話したように、奮投の右腕を責めることはできない。試合後はチーム内から「途中で(小林から実松へ)捕手が代わると若い投手はリズムを保つのが難しい。小林を下げるなら、高木も一緒に代えるべきだったんじゃないか」と同情の声が上がった。

 それでも開幕から7試合で5勝1敗、防御率2・19は誇れる数字。情けないのは、6安打で2点止まりと相変わらず元気がない打線の方だろう。「ここで落ち込んでも仕方がない。次に向けて頑張ります」と前を向いたルーキーを、次回、野手陣は助けられるか。