どうにも巨人が波に乗れない。6日の広島戦(マツダ)にも1―4で敗れ、まさかの3連敗。なかでも大ブレーキとなったのが、拙守を連発した新外国人のホアン・フランシスコ内野手(27)だ。この日も一塁守備でミスを犯し、5回の守備から途中交代。試合後には二軍降格が決まった。本紙専属評論家の大下剛史氏は原監督の起用法に疑問を呈すると同時に、再生に期待を寄せた。

【大下剛史 熱血球論】今回の広島3連戦を見て残念な気持ちになった。新外国人のフランシスコの守備があまりにひどかったからだ。初戦はインフィールドフライの処理に、彼を含めた内野手が混乱してサヨナラ負け。6日の第2戦も、彼は初回に新井のファウルフライを捕り損ねてアウトにできなかった。

 この日もそうだ。初回無死二塁で菊池の犠打に備えてフランシスコは前進守備を敷いた。しかし、転がってきた打球に対して突っ込んだら最後、それっきり。3回無死二塁の場面でも同様の守備隊形をとったが、菊池のバスターの打球を捕球した菅野が一塁へ送球しようにもフランシスコがベースにいない。慌てて戻りはしたが、送球を捕りこぼした。これではあまりにも投手が気の毒だ。

 原監督は5回の守備からフランシスコをベンチに下げたが、どうにも疑問が残る。そもそもなぜ急いで彼を使う必要があったのかということだ。確かにきれいなスイングをしているし、フリー打撃での飛距離は抜群。指揮官はそこにほれ込んだのかもしれない。

 だが、野球は打つだけではなく守れなくてはならない。彼はレイズを離れてから、しっかりと調整していたのだろうか。これまで数多くの外国人選手を見てきたが、ここまで未調整な選手は初めて見た。

 今の日本の野球は簡単ではない。ましてや一塁手はサインプレーやバント処理もある。太っていても野球の動きができるなら構わないが、どう見ても野球をできる体ではなくキレもない。しっかりと調整させ、彼本来の姿を取り戻させてから、もう一度チャンスを与えるべきだろう。

 8日からは首位DeNAとの3連戦が待つ。巨人は苦しい戦いが続く。そんな中でも、フランシスコを交代させてからはチームの歯車が回り始めたようにも見えた。昨季も様々な手を尽くしてリーグ優勝に導いた原監督のことだ。何か策を練っているに違いない。この窮地をいかに乗り切るのか注目したい。(本紙専属評論家)