詰めが甘かった。3日、オリックスがソフトバンク戦(京セラドーム)で逆転負けした。左顔面けいれんで予告されていた4月28日の楽天戦での先発を回避した西が6回無失点の好投を見せたが、9回に登板した岸田が打ち込まれ土壇場で試合をひっくり返された。

 薬で痛みを抑えての先発だった西は何度もピンチを背負いながらも、要所で踏ん張り得点を与えなかった。ここまで5戦未勝利。白星が最良の薬になったはずだが「(7回以降も)いけたけどチーム状況もあるのでしょうがない。次を見据えてやっていきたい」と前を向くのが精一杯だった。

 問題は昨年2位と躍進したチームを支えた鉄壁の救援陣の崩壊だ。この日も7、8回を佐藤達-塚原で抑えたが、9回に右足首痛から復帰後、前日まで連投中だった守護神の平野佳ではなく岸田を投入。これが裏目に出た。

 救援陣は2日に馬原が不振で二軍落ち。腰痛から復帰後初登板を三者凡退で飾った佐藤達も万全ではない。平野佳の登板回避に森脇監督は「チームの内情のこと」と口を閉ざし、高山投手コーチは報道陣の問いかけに無言を貫いた。この状況がすべてを物語っている。

 故障者が戻りつつあるものの、プラスに働かず借金は再び8。森脇監督は「チームで全力で戦った結果。これをバネにしてやっていく」と力強く話したが、チームに垂れ込める暗雲は晴れる気配を見せない。