「阪神・赤星監督」に期待するこれだけの理由

2015年05月06日 09時00分

赤星氏が再び虎のユニホームを着る日はあるか
楊枝秀基のワッショイ!!スポーツ見聞録:GW特別版

 開幕3連勝を飾りながら、スタートダッシュとはならなかった和田阪神。だからというわけではないが、そう遠くない未来の阪神タイガースに思いをはせてみた。

 僕の脳裏に一番に思い浮かんだのは2003、05年のV戦士・赤星憲広氏(39)だ。プロ野球選手としては小柄な体格ながら、ガッツあふれるプレーで虎党を魅了。「体格に恵まれた選手たちに負けないために、常に100%、いや120%でやってきた」と、身を削りながら9年間の太く、短いプロ野球人生を全うした。いつの日か、そのレッドスターが、ベンチで指揮する姿を見たいと思わずにはいられない。

 赤星監督に期待するポイントは複数ある。まずは戦術面では欠かせない洞察力だ。赤星氏は現役時代、盗塁についての質問に答えたとき、こんな言葉を残したことがある。「僕は左投手のほうが走りやすいんです。一般的には左のほうがけん制に引っかかりやすいと言われますが、僕は体が正面を向いているので投手の動きが見やすいので、クセを見抜きやすいですよ」

 実際、07年を最後に引退した元阪神の左腕・三東洋氏が「僕はけん制が得意だと自覚していましたが、シート打撃で赤星さんが一塁走者になったとき、一撃でクセを見抜かれた」と証言している。こういった、いやらしい野球ができることは強みだ。

 もうひとつは闘志。温厚で誠実なイメージのある赤星氏だが、実は熱すぎる男でもある。スタンドのやじに本気でかみつくなど、現役時代から短気でも知られる。そして、その分、仲間やチームに対しての思いも熱い。選手の士気を上げる意味でも、監督向きの性格といえる。マスコミに少々叩かれても、ヘコむことなどないはずだ。

 赤星氏は03年に金本知憲氏の前を打つ2番打者として活躍。05年は不動の1番としてチームをけん引、4番・金本氏、5番・今岡誠氏の前で出塁し、自己最多の119得点を叩き出した。

 野村克也監督から洞察力、星野仙一監督から闘志、岡田彰布監督から適材適所の用兵と、優勝へのエッセンスをすべて吸収。常に優勝争いに加わる強い虎で活躍してきた経験を、指揮官としてフィードバックしてくれるに違いない。

☆ようじ・ひでき=1973年8月6日生まれ。41歳。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、阪神などプロ野球担当記者として活躍した。2013年10月に独立し、同年12月、アメーバブログ「楊枝秀基のワッショイ!! スポーツ見聞録」を開設。昨年4月2日に神戸・三宮にレストランバー「42」を開業し、11月8日にはフォレスト出版から「阪神タイガースのすべらない話」を発売した。