5位低迷中の阪神が助っ人の「ご乱心問題」で大揺れだ。22日のDeNA戦(横浜)でのランディ・メッセンジャー投手(33)の“無気力三振問題”は一夜明けた23日、球団は罰金処分もなく注意のみで終了した。これにチーム内やOBの意見は真っ二つ。「処分が甘い!」「いや、外国人頼みのチームだから仕方ない」…。さらに波紋が広がっている。

 前日22日のDeNA戦で、2点を追う3回の先頭打者だったメッセンジャーはバットを持っただけで打つ気なしの見逃し三振。さらに4回一死一塁の第2打席では、送りバントをせずにバスターを強行して三球三振。この“無気力問題”から一夜明けた23日、高野球団本部長は「昨日(の試合後、その件で)平田ヘッドコーチと話をしたが(メッセンジャーは送りバントの)サイン無視ではなく勘違いだったとのことだった。ミスはいろいろあるだろうが、作戦のことなんで…。これからチームとして精一杯やっていこうという話になった」と話した。メッセンジャー本人には、平田ヘッドが注意したという。

 この日、渦中のメッセンジャーは甲子園で行われた指名練習に参加。この問題について発言はしなかったが、山口投手コーチは「(本人は)反省してるよ。練習も定刻(正午開始)に出てこなくていい、と言っていたが、出てきた。気持ちが表れてるのでは…」と明かした。しかし、注意だけで無罪放免となったメッセンジャーへの扱いについて球団内やOB間で意見が分かれた。

「注意だけでは他の選手への示しがつかない。(元監督の)星野さんならもっと厳しい処分をやってると思う」と球団関係者。監督経験のあるOBの一人も「甘い。和田監督がもっと厳しくやらないと、今のままではいいようにナメられている感じがする。二軍に落とすとかやるべき」とバッサリ。

 その一方で「ウチは中村GMが『外国人が頼みのチーム』と話すように依存度が他球団に比べて大きい。だから、巨人の原監督のような厳しさはやりにくい」とフロント関係者が言えば、あるOBも「和田監督が気を使い過ぎるというやり方も分かる。彼ら(外国人選手)で、(チームは)もっているんだから。甘い、と言うのは簡単。監督だけが悪いわけではない」と力説だ。

 波紋が広がるばかりの助っ人エースの“無気力問題”。終結させるためにも、メッセンジャーは次回登板で“改心プレー”を見せ、勝利をつかまなければならない。