西武が高卒2年目・森友哉捕手(19)の起用について、現状では「捕手としての育成より、打の戦力優先」の方針を明確にしている。

 森は21日の日本ハム戦(西武プリンス)まで全18試合でスタメンDH出場が続いている。浅村―中村―メヒアと続くクリーンアップ後の「6番」にどっしり座る身長170センチのスラッガーは、イースタン・楽天戦(西武第二)との“ダブルヘッダー出場”となったこの日の試合でも、4打数2安打と6―2の勝利に渋く貢献。ここまで打率3割6厘、3本塁打、11打点と打線の中で存在感を示している。

 その一方で今季は捕手としての一軍出場はなく、守備面での育成は凍結状態が続いている。球団にとっても頭の痛い問題だが、チームが首位に1・5差の3位につける現状では、起用法を変化させることの方がリスクとなってしまっている。

 鈴木球団本部長は「今はそれで勝っているわけだから、森個人ではなくチームとして(何がベストか)考えている。もちろん捕手としての感覚を忘れないように、今日みたいな時は親子ゲームで下(二軍)の試合に(捕手として)出てもらう。でも、頭に死球を受けたこの前の試合(19日のオリックス戦)で、ぶつけられた次の打席(結果は右越え適時二塁打)の初球から踏み込んでいける打者を、簡単には外せないよ」とDH・森の非凡な打者センスをべた褒め。「将来的には大阪桐蔭だけ(浅村、中村、森)でクリーンアップを組みたい」(同本部長)とまで豪語するほどだ。

 森がこのまま“不動のDH”となるのなら…。来季以降の西武の補強外国人野手は「守れる」ことが条件になりそうだ。