<中日3-2阪神(14日)> 中日は今季4度目のサヨナラ勝ち。セ・リーグ10勝一番乗りで単独首位に立った。谷繁元信監督兼捕手(44)は「いいですね。何度やってもサヨナラ勝ちは」と相好を崩した。

 劇的な勝利をチームにもたらしたのは新外国人のリカルド・ナニータ外野手(33)。2―2の9回一死一、二塁に代打で登場し、阪神の2番手・松田の高め直球をとらえ左中間へサヨナラ打。「本当にうれしい。とにかくストレートがいいピッチャーなのでうまくコンタクトしようと思った。芯で打てたので抜けると思った。最高に気持ちいいです」と喜びを爆発させた。

 開幕前は他球団007から「バットを振り回してばかりで、直球に対応できていない。あの構えでは内角の直球は絶対に打てない。アンパイどころか中日にとって“有害”にしかならないのでは」と酷評されていた。それが本番では大活躍。14日現在、22打数9安打の打率4割9厘だ。

 これには竜首脳陣もニンマリするばかり。「内角が弱いどころか、むしろ強い。飛ばす力もあるし、ツボにはまればこれから本塁打も出だすと思う。ナニータの打撃はこんなものじゃないよ」とは長嶋チーフ打撃外野守備走塁コーチ。波留打撃外野守備走塁コーチも「もともと柔らかさがあるので対応できると思っていた。これぐらいのことはやると思っていたよ」ときっぱりだ。

「オープン戦で打ちまくってもシーズンでさっぱりという外国人もいるからね。ドミニカでナニータを発掘してきた森ヘッドの眼力がすごいということでしょう」(チーム関係者)。他球団007の低評価を覆したナニータ。もはやチームには欠かせない戦力だ。