広島打線が「打倒・投手陣」を掲げている。開幕から貧打が続く打線の復調が浮上の鍵となるが、そこで野手陣のなかで合言葉になっているのが「投手に負けるな」。現在のチーム打率はセ・リーグ4位の2割3分と数字にも不調ぶりが表れている。


 その一方で先発投手陣は打つほうでも健闘。先発ローテの前田、黒田、ジョンソン、福井らが粘り強く安打を放つなど打率2割2分7厘とチーム打率に肉薄しているのだ。緒方監督の方針で投手陣の打撃強化を掲げ、キャンプから例年以上の打ち込みを投手に課してきた畝投手コーチは「先発陣が打ちにいく姿勢をみせてくれている。攻撃にも参加する意識が出ている」と手応えをつかんでいる。


 当然、野手陣としては黙っているわけにはいかない。「打率で投手に越されるわけにはいかない。今は先発の頑張りで何とか勝てている状況。それに加えて投手よりも打てないなんてことになったら恥ずかしい。何とか打率をアップしようとみんな思っている」(チーム関係者)と、気合を入れ直しているという。


 緊急補強として獲得したネイト・シアーホルツ外野手(31=レンジャーズ)の合流は早くても21日の巨人戦からの見込み。それまで今のメンバーで戦うしかないが、先発投手陣に負けじと打線爆発なるか。