プロ野球が開幕して2週間。セ、パともに下馬評の高かった広島、オリックスが最下位に低迷する一方、ぶっちぎりの最下位票を集めた中日が、DeNAと並んでセの首位に立つなど“逆転現象”が話題を呼んでいる。本紙評論家の見解は――。

【遠山奨志氏=広島2位、オリックス3位、中日最下位予想】

 広島はこの時点で予想以上に負けたと思う。もともと4番のエルドレッドが活躍しないときはダメなチームだったが、今年もそれがはっきりしている。前田、黒田らの投手陣に頼ってばかりではきつい。若い選手の経験の少なさも気になる。新外国人のシャーホルツがどれだけやれるかがポイントになるが正直、広島の場合、巻き返すのはかなり大変だろう。

 オリックスは大補強し“優勝するぞ”の意気込みが“優勝しなければいけない”のプレッシャーに変わり、力みにつながっている。でも、地に足を着けて戦い始めれば、投打ともに力はあるのだから、それも変わってくる。時間はかかるかもしれないが、最終的には上位争いに食い込んでくると思う。

 中日は阪神に開幕3連敗したが、チャンスでの集中力などが高かったし、決して弱くないな、とは思っていた。これほど連勝するとは思わなかったが、下馬評が高くなかったことで谷繁監督がうまく選手を発奮させた結果ではないか。

 外国人選手も含め、チーム全体で盛り上がっている。谷繁監督が若手を信頼し、ベンチでどっしりしているのもいい。最下位に予想したが、この勢いはしばらく続くと思う。(本紙評論家)