DeNAの高田繁GMが2日、右太もも痛のため来日延期となっていたユリエスキ・グリエル内野手(30)との契約を解除したと発表した。左手首痛で同じく来日が遅れている新加入の弟・ルルデス・グリエルJr.内野手(21)については、2年契約を結んでいることもあり、制限選手として扱うことをNPB側に申請した。

「グリエル本人はプレーしたいという意思があったが『完治してから行く』の一点張り。『じゃあ、いく来るんだ?』と聞いても『それは勘弁してくれ』と…。“いつ来てもらえるか分からない”では話にならない。そういうままでは、チームの士気にも影響するので、グリエルについては契約を解除することにした」と高田GM。広島戦の試合前、一塁側ベンチで怒りを押し殺すかのように、苦渋の表情を浮かべながらコメントした。

 高田GMによれば、DeNA側は3月28日に担当者をキューバに派遣。現地でキューバ政府側とコンタクトが取れたものの、グリエルとはなかなか会えない状況が続いていたという。グリエル側には30日を最終期限として航空機のチケットを手配したことをキューバ政府を通じて伝えたが、この便にもグリエルは搭乗しなかった。

 担当者とグリエルが面会できたのは日本時間の4月2日。

「(担当者が)家に行ったらグリエルがいた。向こうは『それでも行かせてくれ』と言っていたらしいけど、ケガの診断書も出せない、ビザも用意していないでは話にならないでしょう。キュバー政府も何度も何度もグリエルを説得しようと困っていたようだ。最終的にグリエルも(契約条項破棄の)書面にサインしたが、プロの契約と言うものを理解していなかったんじゃないか」と同GM。今回の契約破棄で「我々(DeNA)はグリエル側に一切(年俸を)払わないし、向こう(グリエル側)も払わない」とも補足した。

 これでグリエルは契約破棄になり、事実上“フリー”となる。同GMは「彼に関しては残ってもらっても困るので(契約を)きれいにしますよと…。メジャーリーグや国内他球団が獲得するかも? もう“どうぞ、どうぞ”ということ。好きにしてください。まあ、ほかに獲るところがあればだけどね」と、あきれ果てたように吐き捨てた。