ソフトバンクが1日のオリックス戦(ヤフオク)に7―10で逆転負け。借金1に逆戻りした。

 2点リードの6回、中島に1号ソロを浴びると、この回に一挙8点を奪われた。工藤監督は「相手が勢いに乗って、すべてのボールに反応してくると止めるのは難しい」と渋い表情だった。

 グラウンド外でも実に悩ましい問題が発生している。今季から解説者で試合に訪れている秋山幸二前監督(52)の“名指導”だ。

 この日の試合前には、中島にお願いされて打撃指導を行ったが、実は昨季までのソフトバンクには「秋山監督のアドバイスを受けた敵チームの選手は、なぜか高確率で活躍する」というジンクスがあった。

 特に多かったのが日本ハムの中田で、試合前練習の際に、あいさつを兼ねて秋山監督の下にやってきて打撃指導を受けると、不振だったはずがズバリの高確率で本塁打を打つといった具合。チーム関係者にも認識としてあったが、教え好きの前指揮官の意思であり、頻繁なものでもないため「基本的には来る者は拒まずの人だからね。しょうがない。『教えてください』と、こられると教えちゃうんだから」と“黙認”されてきた。

 今季からはフリーの立場だけに勝手が違う。「参ったね。今日は、やたらと一生懸命オリックスの選手に教えていたからね」(球団関係者)。敵も味方もないだけに教え放題。実際に、ここまでの4試合のうち3試合で無得点だったオリックス打線が、中島の一発が口火になり覚醒したのだから大変だ。

 教え好きで技術論に定評のある前監督の下で若手野手が育ち、強力打線を築き上げたソフトバンク。前監督に「控えてください」と言うわけにもいかないが…。