10年ぶりのV奪回に燃える阪神が昨年一度もなかった「単独首位」(30日現在)と勢いに乗っている。気の早い虎ファンは「優勝や!」と大騒ぎだが、笑いが止まらないのは、球団創設80周年で大忙しの営業部サイド。開幕3連勝の効果もあって各企業から「記念企画に賛同させてほしい!」と新たな申し込みが殺到しているという。

 まだ3つしか白星を挙げていないのに、さすがは人気球団だ。球団史上初の開幕から2試合連続サヨナラ勝ち。そして7年ぶりの開幕3連勝と勢いづく和田阪神。その盛り上がりは球団創設80周年で大忙しの営業部にまで及んでいた。

 ある営業幹部がこう話す。「うれしいことに各企業さんから『ウチも80周年記念に参加させてほしい』という問い合わせが増えていってます。スーパーでの80周年記念セールの開催やウチではあまり作ってはいない食品系のものの記念商品化…と多種にわたって話が来ている。特に今回は優勝セールのようなある意味、リスクのあることじゃなく、勝ち負け関係なく1年通じてやれるのが大きい。これからまとまりそうな商談は多いですよ。ありがたい話です」

 阪神では今季、80周年を記念したイベント、事業を大展開。甲子園では「レジェンドデー」と題した伝説OBをたたえる特別セレモニーが行われる予定で、球場外でも同記念の公式CMをお茶の間のテレビでオンエア。すでに、あの大阪城を同記念ロゴマークで流行のマッピングで告知したり、京阪神を代表するシンボル塔の大阪・通天閣、京都タワー、神戸ポートタワーをチームカラーの黄色でライトアップするなど、とにかく懸命に盛り上げようとしている。そこに、この開幕3連勝だから各企業も“便乗商売”する気になったのだろう。

 ローソン、Joshin、ミズノが公式スポンサーとなっている阪神だが、さらに新たなパートナーも探そうと昨年秋から大阪商工会議所とタッグを組んで「販促商談会」を開催。「これが好評で30~40社が興味を持って参加してもらえました」(営業部関係者)という状況で、来月14日には3回目の商談会が行われる。それもチームがこのまま快調なら…と営業部は想像しただけでも笑いが止まらない。

 現場の和田監督は、30日「まだ1カードしか終わってない。我々は全く浮かれたことはないよ」と殊勝だったが、営業部サイドは選手にも「例えばお立ち台で“今年は80周年。球場に来てください!”といったセールストークをしてほしい」と新たに要請。「80周年」を“最大武器”にノリノリだ。