巨人のサラブレッド右腕・笠原プロ初白星

2012年09月13日 12時00分

プロ初勝利の笠原と握手する原監督

 巨人は12日、広島戦(東京ドーム)に5-0で快勝し、引き分けをはさんで4連勝。優勝マジックを10とした。原監督は通算700勝に到達した。この日のヒーローは、プロ初白星をゲットした4年目右腕の笠原。父親も元プロ野球投手という球団期待のサラブレッド右腕が、2度目の先発で第一歩を踏み出した。

 ピンチの場面で見せた気迫の直球こそが、笠原の成長の証しだった。先発デビュー戦の前回5月3日の広島戦は、4回6安打3失点で降板。その時、首脳陣に指摘されたのが「弱気の虫」だった。

 その弱点は克服できたのか——。試される場面は3回に訪れた。二死満塁で迎えたのは、4番・エルドレッド。3球目が外角に外れ、カウント2ボール1ストライクとなると、阿部がマウンドに一歩歩み出た。「腕を振れ」。これに大きくうなずいた笠原は、そこから渾身の直球を続けて追い込むと、最後も内角直球で空振り三振に斬った。

 ヤマ場はさらに続く。勝利投手の権利がかかった5回にも、失策がらみで再び二死満塁のピンチ。すると今度はフォークで天谷を空振りの3球三振に打ち取り、マウンド上で雄たけびを上げた。

「周りを気にしながら投げていたところがあった」という笠原が変われたきっかけは、福岡工大城東高時代の先輩と最近食事した際に、掛けられたひと言だったという。「(先輩は)ちょっと“飛んでる”というか“ネジが外れている人”なんですが『人生は一回きりだから、好きなようにやれよ』と言ってもらって。だいぶ楽になったんです」

 お世辞にも抜群といえる投球内容ではなかったが、それでも粘って6回を6安打無失点で乗り切った。元ロッテ投手の父親・栄一氏はプロでは白星を挙げられなかったが、息子が4年目で笠原家に念願の初勝利を届けた。チームの未来にとっても明るいニュースだ。今季巨人でプロ初勝利を挙げたのは、笠原で実に6人目。優勝目前の時期を迎えても、ニューヒーローが続々現れている。さらに日本一を目指す上でも笠原の勝利の意味は大きい。前日好投した小山とともに、不振で二軍調整中の澤村には同世代の活躍が刺激になったに違いない。

 球団が期待をかける若手右腕の奮投で原監督は指揮官として700個目の白星を手にし、チームはマジック減らしに成功。リーグ制覇は目の前だ。