<巨人11-3DeNA(29日)>巨人に頼もしい新星誕生だ。ドラフト3位ルーキーの高木勇人(25=三菱重工名古屋)が29日のDeNA戦(東京ドーム)に初登板初先発し、6回6安打5奪三振2失点の好投で初勝利を挙げた。

 開幕カードで新人投手が白星を挙げたのは1960年ダブルヘッダーの堀本律雄、青木宥明以来、球団史上55年ぶりの快挙で、昨年唯一負け越したDeNAに11―3と大勝。2勝1敗とチームの勝ち越しも決めた新戦力は、初のヒーローインタビューで「やっと…」と言葉を詰まらせ「今まで頑張ってきて本当に良かったです」と声を絞りだした。原監督は「粘り強く投げた。途中でグラッときたが、自分で修正した。ナイスピッチング!」と絶賛し、斎藤投手コーチも「期待通りだね」とうなずいた。

 そんな高木勇の支えとなっているのが、ミスターの金言だ。2月の宮崎キャンプでブルペンを視察した長嶋茂雄終身名誉監督から直接、アドバイスを受けた。高木勇は「『持ってるものは全部いい。カットボールにしてもシュートもフォークも全部いい。自分のスタンスを崩さないでやればいいよ』と言っていただきました」と明かす。

 さらに“悪癖”も瞬時に見抜かれた。「自分の中では体が開くフォームが悪いと思っていた。それを一度見ただけで分かっていただけた。さすがだと思いました」。自分とプロの目に誤差がないことを知り、安心もした。内海が故障で離脱するなど不安を抱える投手陣にあって、高木勇が貴重な戦力となりそうだ。