第8日(28日)の2回戦第2試合で健大高崎(群馬)と激突する天理(奈良)。ナインは「修学旅行のせいにしない」と誓って、甲子園に臨んでいるという。

 同校の新3年生は毎年3月初旬に新潟に4泊5日のスキー実習を兼ねた修学旅行に出掛ける。今年も実施され、野球部員もほぼ全員が参加したが当初は「選抜を前にした大事な時期にスキーですからね。少しでも練習に時間を費やしたいのに…」と複雑な思いだった。

 選抜出場は23回目の古豪だが、最近5回の出場成績は第80回大会(2008年)の8強を最高に、1回が2回戦敗退、3回が初戦敗退。一部では「天理は選抜に弱い」とささやかれ、ナインの間には「修学旅行のせいかも…」との声もあったからだ。

 しかし、そんな気持ちを、今回は完全に“封印”しようと決め、ナインは修学旅行中にも少ない時間でトレーニングを続けた。学校の計らいで朝夕30分間の練習時間が設けられたが、他にも宿舎の部屋では楽しむ生徒らを横目に体幹トレ、さらに動体視力を養う目のトレーニングを欠かさず、スキーも捻挫しないように、ゆっくり滑るよう心掛けた。すべては選抜で勝ち進むため。ナインの気持ちは逆に高まったのだ。

「もう修学旅行のせいにはできないし、したくない」(ある選手)。目指すはVのみだ。