二軍落ちした巨人・村田修一内野手(34)が一軍にスピード復帰し、開幕スタメンが確定した。短期間で村田のバットはどのように復活したのか。実は二軍で直接指導を受けた内田順三二軍打撃コーチ(67)から“長州力禁止令”を出されていた。

 オープン戦中に打撃不振に陥った村田は打率1割台に低迷し、13日から二軍での無期限再調整を言い渡された。そして22日のロッテ戦で一軍に復帰すると、この試合で右前打を放ち、23日には原監督が村田を開幕戦でスタメン起用することを明かした。スピード復活の秘密を握るのは村田を指導した内田コーチで、①始動②トップの位置③タイミングの取り方の3点を修正ポイントとし、突貫工事で打撃フォームを改造したという。

 ①は小刻みに動くことで初動をスムーズにした。さらに耳元付近で構えて硬く感じられた②も修正。「長時間傘をさしても疲れないようにヒジも使って一番楽な状態を作れば、右肩45度の形にトップがなる」。余計な力みを取り除いたことで、バットも滑らかに出るようになった。

 そして、バットを握る両手のバランスが大きく右に傾く村田特有の癖にもメスを入れた。これは外国人選手に多く見られる特徴で「(左右ともに)50・50でインパクトを迎えなくちゃいけないが(村田は右が)60、70で上体だけで打っていた。スタン・ハンセンや長州力のようなラリアート的な打ち方」。右だけの手打ちにならないよう、打った後は左でフォロースルーを加え、左右のバランスを整えた。いわば「脱ラリアート打法」だ。

 修正前の映像と見比べた村田は「こっちの方が全然いいです」と得心していたという。二軍落ちの屈辱を味わった村田だが、それ以上に収穫が大きかったようだ。