中日の開幕投手が有力な山井大介投手(36)が、シーズン前の最終調整となった20日の楽天とのオープン戦(ナゴヤドーム)を6回2失点と、まずまずの投球で終えた。「本番のような感じで入りました。十分だと思います。これでしっかり開幕を迎えられる」とキッパリ。初の開幕投手にも「そういう時が来ると思いますが、その試合に全てを出せるようにしたい。準備はしています」と自信をみなぎらせた。

 そんな山井にチーム内からは、広島に復帰した“黒田効果”を期待する声が出ている。黒田といえば、左打者のインサイドのボールゾーンからホームベースの手前でストライクゾーンに入ってくるツーシーム、通称「フロントドア」が有名。実は山井もこの日、同じように変化する球を投げたのだ。

 初回、銀次に投じた135キロのボールは、内角のボールゾーンからシュートしてインサイドぎりぎりに決まり、見逃し三振を奪った。「僕は、そんな器用なタイプじゃないですよ」と、実際は意図したフロントドアではなく、たまたまインサイドを狙ったストレートがシュート回転したようだが、周囲はこれがシーズンで効いてくると見ている。

「黒田のおかげでフロントドアだ、バックドアだと注目されている。他球団のスコアラーも、そのあたりは非常に気にしている。『山井の内に来るストレートは、フロントドア気味に来るから気をつけろ』とか報告するはず。相手が警戒してくれれば山井にとって、より投球の幅が広がるからね」(チーム関係者)

 黒田フィーバーで山井が思わぬ恩恵を受けるかもしれない。