左脇腹痛から復帰した阪神のマウロ・ゴメス内野手(30)が調子を上げている。18日のヤクルトとの練習試合(神宮)での本塁打に続き、今季開幕カードの前哨戦となった19日の中日とのオープン戦(ナゴヤドーム)でも適時打を放つなど、存在感十分だ。そんな来日2年目の主砲をさらに発奮させるため、球団がひそかに計画していることがあるという。それは…。

 やはり、千両役者は違う。この日は0―0で迎えた4回無死二、三塁の絶好機。ゴメスは中日・朝倉のカットボールをうまくとらえて先制の中前適時打を放ち、改めて勝負強さを見せつけた。「感覚はすごくいい。開幕まで残りのオープン戦で投手の球を見てリズムとタイミングをしっかり取れるようにしたいと思う」とゴメス。和田監督も「得点圏での集中力はさすが」とうなった。

 そんなゴメスは最近、ビデオゲームの「ガンシューティングゲーム」にハマっているそうで、銃を持って撃つふりをしながら「こうやって撃つやつ。休日とか試合が終わった後とかにやるんだけど、これが楽しくて。暇な時はついやってしまうんだよ」という。「ガンシューティングゲーム」はガン・コントローラーと呼ばれる模造銃をテレビ画面に向けてゾンビなど悪者を退治して遊ぶもの。ゴメスはそれを自宅で一人プレー。最高の息抜きになっているわけだが、球団サイドはそこに目を付けた。

「彼にとって、それがリラックスになっているというなら、昨年以上の成績を残してくれれば、ウチで新しいものをプレゼントする。今は米国製のものを使っているみたいだから、それよりもいいゲーム機を調べて何種類か用意するよ」と球団関係者。ゴメス2年目の新たな発奮材料のひとつとして、このプレゼントを計画しているのだ。

 昨季は143試合で4番を務め、109打点で打点王のタイトルを獲得し、2年目の今年も早い時期から和田監督が「絶対4番」を明言するなど虎のV奪回に欠かせないゴメス。「ガンシューティングゲーム」は日本製のものではガン・コントローラーとゲーム用CDを合わせても新品で1万円程度。年俸約2億円のゴメスにとって、ゲーム機なんて…かもしれないが、球団は少しでも気分よくやってもらおうと懸命だ。