幻と消えたルーキー・野村10勝目

2012年09月10日 12時38分

戦況を見つめる野村

 広島にとっては負けに等しいドローだ。9日のDeNA戦(マツダスタジアム)は1点リードで迎えた9回、守護神・ミコライオがまさかの失点で同点に追いつかれ、結局、延長10回、3—3の引き分けに終わった。8回に梵、エルドレッドの適時打で逆転に成功し、ルーキー・野村の10勝目は目前で幻と消えた。

 虎の子の1点を守り切れなかった。1点リードの9回、守護神・ミコライオが満を持してマウンドに上がったが、1つのミスが命取りになった。

 先頭の荒波に安打を浴び犠打で一死二塁となり、中村を迎えた場面。荒波の俊足を警戒するようにベンチからは指示が出ていたが、これを助っ人右腕が見逃した。3球目に簡単に三盗を許してピンチを拡大すると中村の二ゴロを菊池がファンブル。その間に走者が生還し土壇場で同点に追いつかれてしまったのだ。

 何としても白星を勝ち取りたかった。DeNA・加賀美にわずか1点に抑えられていた打線は8回に奮起した。二死二塁から梵が適時打二塁打を放って同点に追いつくと続くエルドレッドも適時二塁打。右肘痛に悩まされながらも出場を続ける主砲の一打で逆転に成功した。

 2試合連続でKO降板が続いていた野村はこの日も序盤はピリッとせずに3、4回に1点ずつを取られてリードを奪われた。それでも5回以降はチェンジアップを有効に使った投球で8回までを投げ抜き、広島では沢崎以来となる新人での2桁勝利は目前だった。ところが…。

 9回に追いつかれて野村の白星が消えると、10回も反撃する力は残っていなかった。ミコライオは「サインを見落としてしまった。足の早い選手なので、三塁に行かせたのは痛かった…」。野村監督も「セカンドランナーをノーマークにしてしまった。もったいなかった」と肩を落とした。

 CS進出に向けて得意としているDeNAに勝ち越せなかったのは痛い。11日からは苦手の巨人と中日、そしてクライマックスシリーズ進出を争うヤクルトと運命の直接対決だ。厳しい9連戦へ向け、指揮官は「こういう試合を取っていけるようにしないと」と言いながら、表情は最後まで暗かった。