<中日6-3楽天(8日)>日本ハムとの開幕戦(3月27日、札幌ドーム)で大谷翔平投手(20)と対戦する楽天の大久保博元監督(48)が“ジラシ戦術”でエース則本昂大投手(24)の成長を促している。

 開幕投手本命の則本が8日の中日戦(倉敷)で今季初実戦に臨み、最速149キロの直球を主体にチェンジアップなど17球を投げ込んだ。体の張りで調整が遅れた則本が打者相手に投球するのは、昨年11月15日の日米野球第3戦(東京ドーム)でメジャー相手に5回完全の好投を見せて以来。それでも1回1四球無安打で抑え「今日のテーマはケガなくマウンドを降りてくること」と、ホッとした表情でマウンドを降りた。

 2年連続2桁勝利はチームで則本だけ。開幕投手は誰がどう見ても則本で間違いないが、大久保監督は「1回を投げられたからといって『開幕は則本』ではおかしい。則本だけ特別扱いはしない。次(の登板)を見てから」と当確マークを出さなかった。

 もちろん本音は違う。「大谷が相手だからといって一番いい投手をあえてぶつけないという選択肢はない」と大久保監督は断言。さらに「何より野球ファンが対決を見たいでしょ」と、ファン目線として則本とのエース対決を実現させる腹を決めている。それでも現時点で内定を出さないのは「簡単に開幕投手と明言しないことで若い則本にさらに成長してほしいから」(チーム関係者)。大久保監督の期待に応えることができるか。見ものだ。