【核心直撃】昨季、日本ハム・大谷翔平(20)に「日本人最速」の称号を奪われたヤクルトの由規(25)が、完全復活を目指し燃えている。先月22日には日本ハムとのオープン戦(浦添)に先発し、最速151キロをマーク。4年ぶりの一軍登板に一歩前進した。右肩の手術を乗り越えた男が復活への手応え、さらに自身の記録を超えた大谷への思いを本紙に明かした。

 ――体が大きくなったみたいだ

 由規:充実してますからね。

 ――この3年間はきつかったんじゃないか

 由規:そうですね…。3年間リハビリ管轄でチームとは別のメニューをやってきました。みんなとは別で、先も見えなかったし…。(野球を)やめないといけないのかなって思うこともありました。でもそういうことは一瞬で、とにかく前向きにやろうと思っていました。ももクロ(ももいろクローバーZ)を聴いたりしながら。

 ――そこからようやく光が見える状況になった

 由規:去年の秋に一軍のキャンプに入らせてもらって実戦(のマウンド)も踏んで徐々に光が見えてきた。今は楽しいです。先が見えなかったリハビリ期間と違って、1段ずつ段階を上がっている実感があるから。

 ――目標は開幕一軍

 由規:そうですね。でもそれがそんな簡単なことではないというのは分かっています。まずは一歩ずつ。でも、開幕一軍は目標にしないといけない。現実と目標と両方しっかり見据えてやっていきたいです。

 ――戦線離脱している間に自身の161キロを大谷に抜かれて日本人最速記録を更新された。その時はどう思った

 由規:ワクワクしましたよ。

 ――どうして

 由規:やっぱりスピードと本塁打は人を魅了するんだなって思ったんです。ファンの人もそれは分かりやすいじゃないですか。野球のルールを知らなくても“すごいな”って純粋に思える。彼はその両方ができるから。出てきた時“これはいずれ抜かれるな”と思ってましたよ。バンバン(球速を)出していたし。

 ――ライバル心は

 由規:ライバルっていうより、先発投手でスピードを出す人が増えるからボクはマウンドで集中できるな、と思います(笑い)。今まではそういうこと(球速の記録)はボクに集中していたから。彼のおかげで、ボクの負担が減るかなって。でも…。

 ――でも?

 由規:手術してもスピードが出なくなる不安はなぜか全くなかったんです。そうしたら復帰第1戦(昨年6月14日の二軍、フューチャーズ戦)の第1球で155キロ出た。自分でもうそだろ、って思いましたけど。あれはタイミングとか全部バッチリだったから出たと思うけど、でもやっぱり(球速は)出るなと思った。

 ――予感は当たったわけだ。約3年半ぶりの一軍登板となった2月22日の日本ハムとのオープン戦では最速151キロをマークして2回無失点。順調にいけば大谷超えの163キロも出せるんじゃないの

 由規:言わせたいんでしょー。言わないですよ(笑い)。でもファンの方は期待してくれている人もいるだろうし、いつか答えられるようになりたいです。ただ、今はとにかく球速のことよりも一軍のローテーションに入ることだけを考えてやっていきます。