<ソフトバンク3-0阪神(4日)>9年ぶりに国内復帰したソフトバンク・松坂大輔投手(34)の公式戦デビューが、開幕2カード目の初戦となる3月31日のオリックス戦(ヤフオクドーム)に内定していることが本紙の取材で分かった。オープン戦初登板となる4日の阪神戦(甲子園)で3イニングを投げた右腕は、残り3度の調整登板を経てシーズンに突入する。
すでに27日のロッテとの開幕戦(ヤフオク)は、4年連続で開幕投手を務める摂津に内定した。そんな中、キャンプから大きな注目を集めた松坂の国内復帰第1戦となったのは、31日のオリックス戦だった。相手は昨季、最後の最後まで優勝争いをした宿敵で、今年こそはと超大型補強も敢行している。今季のペナントレースを占う意味でも大事な初戦を、工藤監督は怪物右腕に託した。
チーム内の実績ナンバーワンが摂津ならば、トータルの実績がダントツなのが松坂であることは間違いない。経験も豊富な両右腕に、3連戦のカード初戦を任せるという格好だ。いずれも、今季もっとも“やってもらわなければならない”投手でもある。
加えて、今季の日本一連覇のカギを握るキーマンを軌道に乗せるための配慮も含まれているとみられる。松坂が1999年に注目のデビュー戦となったのは、本拠地・西武ドームではなく東京ドームだった。当時の東尾監督は2カード目の2戦目となる開幕4試合目の先発に松坂を指名。いくらスーパールーキーとはいえ初戦が大事、なるべく投げやすい環境で、と配慮されてのものだった。
工藤監督も常勝・西武の流れをくむ人間で、根本の考えは同じ。論理的に物事を考えるタイプだ。開幕投手論について「僕はやりたくなかった。次もエース、次もエースで、結局4月に勝てなくて調子を落としてしまったこともあった」と話すほど。2カード目の頭となれば、雨天中止などでローテーションが少々ずれても他球団の開幕投手・金子、大谷、則本らと投げ合うことは、しばらくない。31日のオリックス戦の内定には、9年ぶりの国内復帰となる右腕に、早めの白星をプレゼントして勢いをつけさせてやりたいとの親心も含まれているともみられる。
刻一刻と近づく2015年シーズン。松坂の1年はどうなるか。