【フロリダ州ジュピター3日(日本時間4日)発】マーリンズのイチロー外野手(41)が、マイアミ大との練習試合に6番・右翼で先発出場し、新天地での実戦デビューを飾った。イチローは2回無死一塁で打席に立つと、一度もバットを振らずフルカウントから四球で出塁。守備機会はなく、3回の守備から退いた。試合はマーリンズが7―1で勝った。

 対戦した投手はアスレチックスのオテロ投手の弟。今季から試合時間短縮のため、打者は基本的に打席から足を外せないルールになったが、イチローは内角高めのボール球が来た後に少し打席を外してしまった。これには「あっ、外してるわ俺、と思った。癖になってる人は、なかなか抜けないかもね。リズムになっちゃってるから」と苦笑いだった。

 試合前には相手の大学生と交流。イチローに一斉に群がってきた学生たちに対して「あいつら多分なめてるでしょう、俺のこと。めちゃめちゃ気軽に来たもんね。なんかサイズ感とかあるんだろうね。ちっちゃいから。あいつらのほうが、でかいじゃん。行きやすいっていうのがあるんだろうね。おもろかったですけど」と笑った。

 試合では存在感を見せられなかったイチローだったが、球場内のチームストアでは大人気。オレンジ色のイチローTシャツが飛ぶように売れ、プレーボール直後に完売。同ストアの店員は「朝の段階で二十数枚ほどかけてあったかな。今日一番の人気アイテムだったね」とホクホク顔。イチローは報道陣から売れ行き好調を伝えられると、「そりゃ(人気が)あったほうがいいですよ」とご機嫌だった。

 この日、着用していたTシャツは昔懐かしいビックリマンシリーズの「スーパーゼウス」がプリントされたもの。「小学生のころ、シールを集めてました」と、うれしそうに話したイチローだったが、珍しくファンにサインせずに球場から引き揚げた。