原監督の寵愛に応え杉内が復活11勝

2012年09月08日 12時00分

 巨人・杉内が左肩の違和感から復帰し、7日のヤクルト戦(神宮)に先発。久しぶりのマウンドで本調子とはいえなかったが、それでも6回途中を6安打2失点にまとめ、7月27日以来となる白星で11勝目を挙げた。頼もしいエースの復活投と打線の爆発で苦手のツバメを撃破。優勝マジックも「15」となり、11日からの9連戦に向けて弾みをつけた。

「久しぶりの登板でしたが、肩の不安なく投げられた。ギリギリの投球だったが、みんな守ってくれて粘ることができた」。5回3分の2を6安打2失点。内容は決していいとはいえなかった。しかし、エース・杉内の復活はチームにとって何にも勝る好材料だ。

 巨人打線は初回からヤクルト先発左腕・赤川に襲い掛かった。長野の右翼線二塁打、暴投で三塁を陥れると続く藤村が左前打。10球であっさり先制点を奪うと、坂本が左前打、阿部が赤川の高めのシンカーを右前へ。「上から叩くイメージでスイングした」という一打で1点。さらには7番に入った大田の二塁打で1点と一挙3点を奪い、エースの復帰を祝うかのような猛攻を見せた。

 2回にも阿部の適時打で4‐0と大量プレゼントをもらった杉内は、丁寧な投球を見せた。2回には内角高めに入ったスライダーを宮本に左翼席中段に運ばれたが、そのほかは直球、スライダー、チェンジアップという、いつものコンビネーション。

 川口投手総合コーチも「復帰1戦目で大事な試合となるが、しっかりと打者と勝負できている」と評したが、久々の実戦マウンドで疲れが出たか、6回にバレンティン、川端に打たれ二死二、三塁。ここで原監督が田原にスイッチ。左腕エースはお役ごめんとなった。 

投球数79。病み上がりの背番号18を大切に扱おうという原監督の思いやりが見て取れるが、指揮官の杉内に対する思いは“敬意”にも似たものがある。開幕当時、原監督は関係者にこんな言葉をもらしている。「初めは杉内がすぐにここのチームに溶け込めるかどうか、正直心配もあったが、実際見ていてマジメで、一生懸命で、野球一筋な姿に驚いた。素晴らしい人間だよ」

 “寵愛”にも似た左腕への思いはまだある。人見知りな性格を知った原監督は、これまた関係者に「杉内をいじめるヤツがいたら、俺が許さないよ!」と宣言したという。巨人伝統のエースナンバーを背負った男だけに、むげに扱えないのもあるだろうが、ここまで語るとなると、原監督が心底ほれ込んでいることがうかがえる。

 澤村が再調整でファームへ行くなど巨人投手陣は万全とはいえない。しかし「いてくれるだけでも頼もしい」絶対エースの戦列復帰は指揮官にとっても、チームにとってもこの上ない活力となる。