<ロッテ5-3中日(2日)>中日のドラフト4位ルーキー・石川駿内野手(24=JX―ENEOS)が、2日のロッテ戦(小牧)で本塁打を含む2安打と活躍。開幕スタメンに向け、首脳陣に猛アピールした。「打ったのは真っすぐ。前の打席でもタイミングが合っていたので狙っていました。結果はホームランでしたけど、初めて(ヒットを)2本打てたことが次につながる。いいきっかけにしたい」

 良くいえば“求道者”、悪くいえば“変人”。それが石川という男だ。「本当に変わっている」と同期のルーキーたちも驚きを隠せない。自身が納得するまでひたすらバットを振る。時と場所は選ばない。ふと思いつき夜中の合宿所を抜け出して、真っ暗な室内練習場でスイングをしていたこともあるという。

 明大時代には「自分の納得する打撃ができない」との理由で退部寸前までいったこともある。石川の打撃はリストが強いのが特長。しかし、当時、その手首を痛めた。その後、回復したものの「以前のように打てない。こんなのは俺のバッティングじゃない」と野球を辞めると決断したが、コーチなどからの必死の説得で何とか思いとどまったそうだ。

 打撃フォームが巨人・長野に似ていることから、チーム関係者からは「竜の長野」とも呼ばれている。「まだまだ実力はそこまでいっていないけど可能性はある」と評価は高い。「とにかく野球がうまくなりたい」という異色のルーキーがベテラン・荒木の牙城である二塁スタメンの座を狙う。