ソフトバンクは27日、ヤフオクドームで韓国・サムスンと親善試合を行った。昨季日本一に輝いたホークスと、韓国プロ野球史上初の4連覇を達成したサムスンの一戦。日韓の王者同士の戦いとあって、韓国から新聞、テレビ合わせて5社が取材に訪れるなど韓国側の注目度は高かった。


 試合は3―0でサムスンが勝利したが…。この試合、ソフトバンクの主砲・李大浩(32)は出場しなかった。試合前には精力的に特打ちを敢行、練習後にはサムスンの選手と談笑するなど元気いっぱいだったのにだ。


 実は李大浩が韓国チーム相手に欠場するのは、この試合だけではない。25日に行われた斗山ベアーズとの練習試合でも出場を見送っている。なぜ母国のチームを避けるのか。チーム関係者が明かす。


「韓国で李大浩は注目の選手。メディアの扱いも大きい。だから、韓国の投手は李大浩を抑えることで大きなアピールとなる。そうすると内角を突いたり厳しい攻めになってくる。死球にならなくても、内角に来た球を詰まらせて手首の故障につながったりすることは予想される。そういうケガをしないよう、コーチと話をして出ないことになった」


 李大浩は韓国・ロッテ時代に2度(06年、10年)3冠王に輝き、同国最高の打者と称賛される韓国の英雄。アピールしたかったサムスンの選手としては、残念だろうが、万全のリスク管理といえそうだ。


 欠場理由を知らされていない、この2戦の韓国メディアの反応は「李大浩を見たかった…」と、一様に母国の英雄の欠場を嘆くものだった。