日本ハム・大谷翔平投手(20)が、栗山監督から開幕投手に指名された。チームでは高卒3年目での開幕投手はダルビッシュ(レンジャーズ)以来となるが、これに腕をぶすのが、3月27日の開幕戦(札幌ドーム)で対戦相手となるデーブ楽天。早速、大久保監督が本紙に明かした「大谷攻略法」とは…。

「2015年開幕投手、大谷翔平。優勝するための選択肢としてこういう形にしたと(本人に)今日伝えました」と明かした日本ハム・栗山監督。通達に至るまでの経緯について「去年のCSで翔平からスタートして何もなければそういう方向で行きたいイメージは持っていた。今日宿舎の部屋に呼んで伝えました。かなり長い手紙を書きました。(大谷は)素晴らしい表情をしていたし、こいつ勝負師なんだなという顔をしていた。より厳しくしていくことも伝えた」と説明した。

 指名を受けた大谷は「うれしいですし、責任を持ってしっかりやっていきたい」と緊張感を漂わせると、対戦が予想される楽天・則本との投げ合いに向け「初戦なので何としても勝たないといけないですし、相手も一番勝てる投手が来るのでそこで何とか勝って期待に応えられるように頑張りたい。チームとしても勝てれば大きいですし、相手がエース級の時に勝てることが大事。ホームゲームなので先に投げて流れを持っていければいい」と覚悟を語った。

 一方、大谷の背番号「11」にちなみ、栗山監督が午前11時11分に発表したと聞いた楽天・大久保監督は、沖縄・金武町で報道陣に囲まれ「おしゃれだねぇ」とただただ感心。「3年目にして球界を代表する選手。うちは謙虚にいくしかない。超消極的にいく」と、表向きは控えめな発言に終始した。

 だがもちろん本音は違う。大久保監督は本紙の直撃に「大谷を直球投手にしてしまったら攻略は難しい。変化球投手に変えて攻略する」とその秘策を明かした。

 その裏には昨年の屈辱がある。監督代行として指揮を執った大久保監督は、7月9日の日本ハム戦(コボスタ宮城)で大谷に自己最多の16三振を献上し1―2で敗れた。

「手も足も出なかった。ただ振り回しても打てない」と猛省した指揮官は「全員がバットを短く持ってスイングスピードとミート率を上げる。それで逆方向に流すのではなくあえて引っ張る。逆方向を狙うとあの球威ではファウルになる。直球を芯でとらえ続ければ変化球に頼らざるを得なくなる」と“デーブ流”フルスイングでまず直球を「引っ張り」で攻略するという。

 続いて第2段階として投球が変化球主体になったところでボール球に手を出さないよう徹底する。「大谷は変化球の制球はいまひとつ。粘って四球で出たら足を使ってかき回す。盗塁も変化球の方が成功しやすい」と今キャンプでチームとして推し進める超機動力野球を展開するという。

 それでも接戦は覚悟している。「先に点を与えたら勝てない」と、開幕投手が予想される則本の踏ん張りとバックの助けで先制点を与えず踏ん張るという。

 本紙に明かしたことで大谷側にも対策は漏れるが、それについても「全然、構わない」とニヤリ。果たしてデーブ流の大谷対策は功を奏すか。