広島・黒田博樹投手(40)が沖縄キャンプ初日となった18日、古巣復帰後初めてチームに合流した。背番号「15」のユニホームを着てナインと顔を合わせた右腕は「このチームのために全身全霊で投げたいと思った」と気持ちを新たにしたが、前日にはある言動で初対面となった若手ナインをとりこにしていたという。黒田がグランド外で見せた“おとこ気”とは…。

 沖縄キャンプ初日は黒田フィーバーの幕開けとなった。その姿を見ようとコザしんきんスタジアムにはファン約1000人が訪れ、報道陣も約230人が集結する盛況ぶり。練習前の歓迎会で背番号「15」の姿がお披露目になるとスタンドから大歓声が沸き起こった。

 そんななか黒田は若手有望株の会沢を座らせて直球、ツーシーム、カーブ、カットボール、スプリットなど37球を投げ込んだ。復帰後初のブルペン投球に「ユニホームを着て最初だったのでそれほど意識をせずに投げた。全然評価できるところまできていない。毎年いつ最後になるか分からないと思っているが、いつもと変わらず最後だと思ってキャンプを過ごしていきたい」と改めて不退転の決意を口にした。

 そんな黒田の“おとこ気”はキャンプイン前日にすでに若手ナインの心をつかんでいた。17日に沖縄入りすると旧知の仲である新井や石原と沖縄市内の焼き肉店で会食。「昔話などで盛り上がった」(新井)と旧交を温めたが、その店では偶然にも丸やドラフト1位の野間峻祥外野手(22=中部学院大)ら若手野手陣6~7人が別席で食事をしていた。

 若ゴイたちは突発的な出来事に焦って黒田にあいさつに出向き緊張の初対面となった。ただ、その後、食事を済ませて帰ろうとすると黒田によってすべて支払いが終わっていたという。これには「初めて会った僕らにもおごってくれるなんて!」と大感激。若ゴイたちも一気にとりこになった。過去には2010年に自らと勝ち星数を競争し勝利した前田に高級時計をプレゼントするなど太っ腹ぶりを見せている。

 この日、自身の言動がおとこ気といわれていることに対して「よく目にしたりするが、自分では実感がないというか分からない」と苦笑いだった黒田。それでもその“おとこ気”はナインを魅了している。