【宇野勝の大予言 今年ブレークするのは…(楽天の巻)】

 楽天の金武キャンプで楽しみな若手を見つけた。プロ4年目の三好匠内野手(21)だ。身長174センチとそれほど大きくはないが、体格はどっしりとしていて厚みがある。何といっても魅力はパンチ力のある打撃だ。おそらく背筋力や下半身が強いのだろう。実にボールが遠くへ飛んでいく。

 バットもスムーズに出るし、スイングも力強い。昨季は二軍でチームトップの13本塁打を放ったというのもうなずける。今の二軍で2桁本塁打を打つ選手は少ない。5~6本でもよく打った方の部類に入る。いくら二軍とはいえ大したものだ。

 空振りを恐れないでバットを振れているのもいい。高校時代は、すごい長距離バッターだったのに、プロに入ったら小さくまとまってしまって、さっぱりなんて選手は実に多い。空振りをしたくないものだから、バットを振るんじゃなくて当てにいくようになってしまう。これが癖になってしまう。すると、もうバットが振れなくなってしまう。バットは当てるものじゃなく振るもの。プロ野球界には案外とこれができない選手が多い。型にはめたがるコーチにも責任があるのかもしれない。その中で三好はきっちりと振れている。

 田代打撃コーチによれば「外のスライダーが苦手」だという。確かに練習試合でも変化球にタイミングが合わず空振りする場面も多くあった。ただ、私に言わせればそんなものは慣れの問題。カーブなどの遅い変化球はためて打つことが必要だが、スライダーはストレートとほとんど同じ間合いで打つものだ。ストレートがちょっと曲がるだけ。ためるのではなくてちょっと粘って打つ。コツをつかめばどうってことない。

 それよりも打撃はいかに自分の間合いで打てるかが重要。三好はそれができている。いずれ日本を代表する長距離砲になる逸材と確信した。(本紙評論家)

 ☆みよし・たくみ 1993年6月7日、福岡県北九州市出身。九州国際大付では1年夏に外野手で、3年の春夏はエースとして甲子園出場。3年春は5試合45イニングを1人で投げ抜き、チームの準優勝に貢献した。打者としても高校通算23本塁打をマークし、2011年のドラフト会議で楽天に3位指名され、入団し、内野手に転向。一軍では13年に6試合、14年に3試合出場し、通算11打数2安打。174センチ、75キロ。右投げ右打ち。