カッチが結婚した日は偶然にも…

2015年02月22日 11時00分

元局アナ 青池奈津子「メジャー オフ通信」

 

 

【アンドルー・マカチェン(28)・パイレーツ】「僕が本塁打を打つ時…。それはもちろん本塁打なんだけど、僕にとってはもっと大きな意味があるんだ。一塁、二塁、三塁と回って本塁を踏む時、それぞれのベースは『1年』を意味する。三塁を蹴って本塁を見る瞬間、君が常に待っていてくれるって僕は知っているんだ。だから本塁を踏む時、いつも帽子のツバを触るんだ」

 

 一昨年オフ、全米放送の人気番組「エレンの部屋」にゲスト出演したパイレーツの「カッチ」ことアンドルー・マカチェン。冒頭の言葉は同番組中に流れたVTRでカッチ自身が口にした“愛のメッセージ”だ。スタジオの観客は大喝采。ホスト役のエレンが、客席にいた交際歴4年の彼女・マリアさんを呼び込むとカッチは、こう言った。

 

「僕はいつも想像していたんだ。世界一高い山の上からライオンの遠ぼえの10億倍の声で世界中が聞こえるように、君を愛しているって伝えることを…」

 

 ポケットから指輪を出したカッチは、ひざまずきながら「マリア、結婚してくれないか」。彼女の答えはもちろん「イエス」だった。カッチは、今や誰もが認めるスーパースター。しかし、子供のころは決して恵まれた人生ではなかった。

 

 実を言えばカッチは両親が高校時代に授かった子供だった。5歳になるまで別々に暮らしていた父はフットボール選手の夢を諦め、リン鉱山などの仕事を3つも掛け持ちしながらトレーラーハウスでの生活をなんとか養っていた。資金不足で野球の大会に出られなくなりそうだった時は、地域の人たちが助けてくれた。若いころから野球の才能に恵まれており、パ軍以上の強豪にも行けたはずだが「生まれ育ったフロリダ州のフォートミードと(パ軍の)春季キャンプ地・ブラデントンが近かったから」という理由でパ軍を選んだ。そして今では立派にチームの顔となった。

 

 前記のプロポーズの秘話を直接聞きたくて、昨季は何度もカッチに掛け合ったが「彼女のためだけにやったことだから『この件については話さない』と彼女に約束しているんだ」。彼がピッツバーグで愛されてやまない理由が分かるひと言だった。

 

 その2人が昨年11月22日に結婚式を挙げた。「22」はカッチの背番号。偶然にも日本では「いい夫婦」の日なので、教えてあげたらきっと喜ぶに違いない。

 

 ☆アンドルー・マカチェン 1986年10月10日生まれ。28歳。米フロリダ州出身。178センチ、86キロ。右投げ右打ち。2005年ドラフトで指名されたパイレーツに入団。09年6月にメジャーデビュー。正中堅手として定着した。11年から4年連続で球宴出場。12年にはゴールドグラブ賞、13年には打率3割1分7厘、21本塁打、84打点、27盗塁の好成績でチームのポストシーズン進出に大きく貢献し、ナ・リーグMVPに輝く。