「マートン先生」に若虎の底上げを期待

2015年02月15日 11時00分

サムスン戦をベンチで見守る(左)からマートン、オマリーコーチ、ゴメス

 阪神・和田豊監督(52)が若手育成の最終“切り札”にマット・マートン外野手(33)を「先生役」として要請していることがわかった。球団創立80周年を迎えた今季はV奪回とともに若手の底上げが重要課題。なかなか手応えがない現状に、指揮官は昨年の首位打者など数々のタイトルを獲得した優秀助っ人の頭脳をひそかに拝借することを決めた――。

 

 13日の韓国サムスンとの練習試合(宜野座)は5―5の引き分け。11日の日本ハムとの練習試合で力のない負けを喫し、坂井オーナーから「いい印象はない。期待外れ」と酷評されていたが、この日の和田監督は「今日は粘りが出ていた。若い選手が多いが、1球、1打席も気が抜けないという気持ちを出していた」と手応えを感じ取った。

 

 しかし、ルーキーの江越こそ大活躍したものの、伊藤隼が3度の絶好機に凡退するなど6打数無安打、西田は2打数無安打、陽川は守備中の亜脱臼でリタイア…。重要課題である若手の底上げはキャンプ中盤になっても依然として足踏みに変わりはない。

 

 そんな中、指揮官が若手育成の「先生役」として極秘要請したのがマートンだった。「(君は)ウチの中心選手だ。若手のことで気になることがあれば直接言ってほしい。どんどん指導してくれても構わない」。担当の打撃コーチがいるにもかかわらず、指揮官はマートンにそう声を掛けたという。

 

 マートンの実績はいまさら言うまでもない。来日1年目の2010年にイチロー(現マーリンズ)の記録を塗り替える214安打を放ち、最多安打のタイトルを獲得。11、13年にも同タイトルを取り、来日5年目の昨年には自身初の首位打者を獲得するなど助っ人として大成功を収めた。試合中に相手投手や審判の傾向のメモを取るなど研究熱心な性格でもある。先生役にうってつけとあって、オマリー打撃コーチ補佐も「彼(マートン)はすばらしい打撃センスの持ち主だし、とても賢い選手。若手野手の見本にふさわしいし、先生役にはぴったりだと思う」と大賛成したほどだ。

 

 そのマートンは現在、右太もも裏痛で別メニュー調整を続け、ようやくこの日からスパイクを履いてのランニングを再開。「一日も早くチームに合流したい」と話していたが、さっそく指揮官の要請に応えるようにサムスン戦をベンチに座って観戦。隣に座る若手野手に声を掛ける場面もあった。背水イヤーで「思い切ったことをやっていく」と宣言していた和田監督の秘策。「マートン先生」で若虎が奮起できるか。