中日のドラフト1位・野村亮介投手(21=三菱日立パワーシステムズ横浜)が出遅れている。2位の浜田智博投手(22=九産大)、8位の山本雅士投手(20=四国IL・徳島)ら若手投手がすでに前のクールで打撃投手を務め、今クールにはシート打撃にも登板予定だが、野村はいまだに打撃投手もこなしていない。ブルペン投球を視察した他球団007も「他の投手がいいからなのかな。1位の子は全然目立たないね」「あれだったら下位の投手の方がいいんじゃない」と厳しい見方だ。

 もっとも、そんな外野の声とは対照的にチーム内の評価はグイグイと上がっている。実は野村は過去に右ヒジを痛めた経験があり、スカウトや首脳陣から「焦らずじっくりやれ」と新人ながらマイペース調整を許されている。そのため、ここまではスローとなっているのだが、スカウトの一人は「そうは言われても普通の選手なら、なかなかゆっくりはできないもの」という。

「周りの先輩がバンバン投げているわけでしょ。普通なら(調整ペースを)抑えろって言われてもついつい力が入ってしまうもの。自分の力以上のものを見せたくなる。それが周りが何も気にならないように普通にできるんだから大したもの」。マイペースを貫いているのがすごい、というわけだ。

 当の野村も「みんなよりは遅れているかな。でも、社会人時代よりは仕上がりは早いし、ケガをしてもいけないので。(遅れは)気にならないですね」と落ち着いたもの。この男、本当に大物なのかもしれない。