楽天のドラフト1位右腕・安楽智大投手(18=済美)の突然の「新人王宣言」がチーム内に波紋を呼んだ。

 久米島キャンプ第1クール最終日の4日、安楽は今キャンプ2度目のブルペン入りし、捕手を立たせた状態で直球のみ61球を投げた。登板後は「今日の方がボール自体は良かったです。これから徐々に調子を上げて、第2クールは猛アピールしたいです」と手応えタップリ。今後さらにペースアップするという。

 この日は朝の声出しで「目標は開幕一軍、そして新人王です」と宣言。これまでは「開幕一軍」としか言ってこなかったが、初めてタイトルに言及するという突然の“上方修正”だった。これには「新人王と言ってましたね。本人が目指すことを『ダメ』とは言えないけど、あまりタイトルを取ることに意気込まれるとね。焦るなと言い聞かせてるんですけど…」(球団関係者)と心配する声が上がった。高校時代の右ヒジ故障歴を考慮し、長期的視野で育成するのが首脳陣を中心としたチーム方針。これまでも安楽をどうコントロールするかに頭を悩ませていただけに、動揺が広がっているのだ。

 そんな周囲の声をよそに安楽は「周りの方たちに『焦るな』と言っていただけるのはありがたいことですけど、開幕一軍という目標を変えるつもりはありません。3年後とか5年後の活躍を期待する意見もありますけど、ボク自身は1年目から活躍しないといけないと思ってますから」と、開幕一軍&新人王というダブル目標を何としても達成する構え。やる気満々の安楽と、抑えたい周囲の綱引きはしばらく続きそうだ。