レンジャーズが藤川球児を獲得した“裏の狙い”

2015年01月30日 11時00分

藤川は新天地で結果を出せるか

 責任重大だ。レンジャーズに移籍した藤川球児投手(34)の完全復活に、球団編成トップの進退がかかっている。水面下で藤川獲得を猛プッシュし、陣頭指揮を執ったジョン・ダニエルズGM(37)が、球団内で「彼が活躍できなければ、すべて私が責任を取る」と言い切っているからだ。

 

 昨年12月16日、カブスからFAとなっていた藤川と年俸100万ドル(約1億2000万円)プラス出来高払いの1年契約を結んだレンジャーズだが、球団内はメジャー契約での獲得に慎重論を唱える関係者が大半を占めていたという。2013年6月にトミー・ジョン手術を受けた右ヒジの回復具合への懸念があるからだ。

 

 藤川は昨年8月に復帰。15試合に中継ぎで登板して0勝0敗、防御率4・85。13回を投げて、18安打、8四死球、17三振だった。主に勝敗が決した場面での登板では復活をアピールすることはできなかった。実際、FA市場でもほとんど話題になっていなかった。

 

 しかし、こうした“反対勢力”を押し切る形でゴーサインを出したのがダニエルズGM。「藤川の速球とスプリットは強力な手助けになる」と弱体化したブルペンの救世主に指名し、自らのクビをかけることを示唆してまで獲得に踏み切った。

 

 阪神から海外FA権を行使してカブス入りが決まった12年オフにも、ダニエルズGMは藤川獲得に動いていた。それだけ以前から藤川の能力を高く評価していたわけだが、今回の獲得劇には別の側面もあるという。メジャー関係者はこう明かす。

 

「ダニエルズGMが球団内で自分と対立するスタッフの一掃を図ろうとしているんだ。藤川が結果を残せば、ダニエルズGMは獲得に反対していた人物たちの更迭へ動きだすことになるだろう」

 

 昨秋にレンジャーズと18年まで契約を延長したばかりのダニエルズGMだが、球団内の不満分子は多い。

 

 13年10月限りで退団したノーラン・ライアン前CEO(現アストロズ・エグゼクティブアドバイザー)との確執は有名で“旧ライアン派”からは今もソッポを向かれている。キナ臭さがプンプン漂っているのだ。

 

 そんな中、藤川は完全復活に向けて順調だ。先日、沖縄県宜野座村で自主トレを公開した際、「去年は復帰する、ただそれだけの意味合いのシーズン。(今年は)故障せず1年間戦い抜くことを目標に頑張りたい」と力を込めた。気になる右ヒジについては「すぐに全力とはいかないが、できる範囲で状態を上げていきたい」と明かしている。

 

 何はともあれ藤川はマウンドに集中して結果を出すだけ。球団内の抗争は関係ない。