日本一奪回を目指す巨人ナインから、内田二軍打撃コーチの“権限強化”を望む声が上がっている。

 25日のジャイアンツ球場は久しぶりににぎやかな一日となった。春季キャンプに向けた荷物出しのため主力が続々と姿を見せた中、長々と話し込む姿が印象的だったのは、久しぶりの再会を果たした阿部と内田コーチの師弟コンビ。内田コーチは「『頑張って』と。スマイルがいいよね。(海外自主トレで)だいぶやったんじゃないか。体も締まった感じがした。今シーズンの阿部が楽しみだな」と打棒を復活させるべく主将の座を降り、一塁手に転向する愛弟子に期待を寄せた。

 数々の大打者を育てた内田コーチの指導には、阿部以外の主力も興味津々だ。次々とあいさつに訪れると「指導熱心で基本から見てくれる方。二軍だけじゃなくて、ボクらの練習も見てもらえればうれしい」「練習方法の引き出しが豊富なのでやってみたい」と直接指導を求める声が続出した。名伯楽に一、二軍の枠を超えた“巡回コーチ”に就任してもらいたいというわけだ。

 当の内田コーチはドラフト1位の大砲候補・岡本(智弁学園)を始めとする若手の育成が重要任務。「一軍には一軍の打撃コーチがいる。ファームのコーチがしゃしゃり出るところじゃない」と、阿部を含めた主力選手への指導には慎重だったが…。その手腕には、一軍ナインも熱視線を送っている。