故大豊さんが古巣・中日に残した“遺言”

2015年01月20日 16時00分

ルーキーイヤーの1989年8月22日、阪神戦でサヨナラ本塁打を放った大豊さん(手前左)

 台湾出身で中日、阪神両球団の4番打者を務めた大豊泰昭氏(本名・陳大豊)が18日午後10時41分、急性骨髄性白血病のため名古屋市内の病院で死去した。51歳だった。大豊さんが昨年9月、本紙に残した中日の谷繁元信捕手兼任監督(44)へのメッセージを公開する。厳しい言葉が並んでいるが、古巣への愛情に満ちたものだった(年号等は当時のまま)。

 

 今年の中日はケガ人続出。和田、岩瀬、吉見、浅尾がいないのは痛い。そんな戦力で采配を振る谷繁兼任監督はかわいそうだと思う。監督として成功してほしいと願っているだけに、今年の成績は残念だ。

 

 だが、そんなチーム状況を抜きにしても、勝っても負けても、その戦い方、内容は悪すぎると思う。私は今、野球界から離れた立場にいる。体調も万全ではない。そんな私にも中日ファンから「どうして今年のドラゴンズはこんなに弱いのですか」「何とかならないのですか」との声がかかる。

 

 その共通の意見は谷繁監督がどんな野球をしたいのか、どんなチームにしたいのか、それが分からない、というものだ。谷繁監督には監督なりの考えがあっても、ファンにここまで届かないのは問題だろう。これではいけない。

 

 谷繁監督はまず、ファンの前で、これこれ、こういう野球をやっていこうと思います、などと言うべきだと思う。もちろん、球団内のすべてのことを語れ、というのではない。最低限のことでもファンに伝えることはあるはずだ。それから谷繁監督は選手の性格をもっと把握しようとしてほしいと思う。そうしているのかもしれないが、私にはまだまだその部分は足りないと思う。

 

 若手の育て方も疑問だ。特に高橋周、堂上直は絶対に一人前にしなければいけない選手だが、今季の使い方などは中途半端に見えて仕方ない。ビジョンが見えないし、申し訳ないけど、打撃コーチは何を教えているのか、とも思いたくなる。

 

 落合GMが監督のころ、岩瀬も荒木も井端もみんな脂が乗り切った選手だった。今はそれらの選手を使い切った後の状態。だからこそ、真剣に考えなければいけない。

 

 もっと言わせてもらえば、落合GMも含めて、反省会をやらなければいけないと思う。どう立て直していくか、ということを含めて考え直さなければならない。球団としても十分に討論すべきだ。今のままで本当にいいのか、将来のドラゴンズはどこに向かうのか、いったい、どこに向かおうとしているのか、ということをね。

 

 OBの一人として中日には常に優勝を争うチームであってほしいと思う。だからこそ、あえて厳しいことを言わせてもらった。私は今、病気と闘っているが、負けるつもりはない。ドラゴンズも、このままで終わるチームではないと信じている。(元中日、阪神選手)