前田幸長氏がこの2人を巨人野手キーマンに指名

2015年01月21日 11時00分

主将に任命された坂本にとって真価の問われるシーズンになる。左は原監督

 OBでもある本紙評論家の前田幸長氏が今季の巨人・野手陣を占う。キーマンには一塁手に転向する阿部慎之助“元”捕手(35)と、その阿部から主将の座を引き継ぐことになった坂本勇人内野手(26)の2人を指名。両者にそれぞれ「復活」と「飛躍」のキーワードを当てはめ、その理由について熱く語った。

 

 【前田幸長 直球勝負】昨季の阿部は打率2割4分8厘、19本塁打、57打点と寂しい成績に終わったが、一塁手として再スタートする今季は必ずや蘇生すると見ている。これまで「4番・捕手」を当たり前のようにこなしていたが、攻守の大役を兼務するのは想像を絶する重労働。誰もができることではない。いわば二刀流のようなことを平然とやってのけていたわけであって、その姿勢には本当に頭が下がる思いだった。

 

 昨年は春季キャンプで首を負傷した。なんとかだましだましやってはいたが、体は悲鳴を上げ、限界に達していた。それでも捕手としてマシソンや西村ら速球系投手の制球がバラついた時に身をていして止めに行かなければならず、相当に苦しそうだった。本人が苦笑いを浮かべながら、自虐的に「ゴールキーパーですよ」と私に本音を打ち明けていたのは一度や二度ではない。

 

 だが今季は、こうした激務からも解放される。何より打撃に集中できる環境が整ったということは、相手投手にも嫌なイメージを与えることになり“強打者・阿部”の恐怖感をさらに増幅させられるはず。多くの好材料に恵まれることで今季は打率3割前後、25~30本塁打、90~100打点ぐらいはいけるのではないか。新たな定位置となる一塁守備に関しても、彼の能力なら問題なく春季キャンプ中にしっかりと順応できるだろう。

 

 そしてもう一人、野手のキーマンとして期待したいのは9年目を迎える坂本だ。スター選手であることは間違いないが、まだ「スーパー」ではない。彼はもっと飛躍できると見ている。打率2割7分9厘、16本塁打、61打点の昨季成績に本人だって満足してはいまい。さらなる覚醒をしてほしいからこそ、原監督も今季の主将に任命したのだろう。

 

 新たにチームのまとめ役となることで、フォア・ザ・チームの精神をより深めれば、まだまだ成長できるはずだ。昨季中に坂本本人から「打率3割の壁」という自己分析の言葉をたびたび耳にしたが、主将任命はその壁をぶち破る一つのきっかけにつながるのではないだろうか。

 

 前任者の阿部だって2007年から昨季まで主将を務め上げ、それに比例する形でスーパースターとなっていった。バトンを引き継いだ坂本にもぜひ、その道を歩んでほしい。余談になるが、よく「やる気のない時のプレー」をマネされているお笑い芸人・さかともを困らせるようになれば、今季の坂本はまた一つステージを上げることにつながるとも思う。(本紙評論家)