中日で3・27開幕投手が話題になっている。

 谷繁元信捕手兼任監督(44)は昨季の開幕投手に、一度、戦力外になった川上をサプライズ指名し、世間をあっと言わせた。今年については「(最多勝利、勝率1位の2冠に輝いた)山井もいるし、大野も2年連続10勝を挙げて自覚も出てきた。吉見もいるし、ドラフトの上位の2人(野村亮介=21、三菱日立パワーシステムズ横浜、浜田智博=22、九産大)にだって可能性はある」と話しているが、周囲からは「今年こそサプライズの投手を開幕にすべきだ」との声が出ているのだ。

 開幕投手は、いわばチームの軸。その指名には「この投手でウチは1年間戦っていく」との首脳陣のメッセージの意味合いもあり、だからこそサプライズというケースは少ない。しかし、チーム関係者の一人は「それは正攻法の戦いができるチームがやること」という。「ウチはオフの戦力補強を見る限り、今季も普通にやったら完全にBクラス。優勝争いをするのは相当難しいと思う。だからこそ『弱いチームなんだ』と自覚することが大事。勝つためには何でもやるという姿勢を見せるためにも開幕投手のサプライズが必要」と力説する。

 今年3月27日の開幕戦が2011年以来となるビジター(京セラドーム・阪神戦)なのもサプライズには適しているという。仮にこの阪神との開幕カードに負け越したとしても、3月31日からの本拠地ナゴヤドーム・巨人戦を本命の開幕投手で巻き返すことも可能となるからだ。

 サプライズの開幕投手となれば、新人の野村、浜田、さらに50歳シーズンを迎えるレジェンド・山本昌あたりか。いずれにせよ、谷繁監督の決断に注目が集まる。