前田幸長氏がプッシュするG投はこの2人

2015年01月20日 11時00分

宮国(右)と澤村

 G投の救世主は誰か。巨人OBで本紙評論家の前田幸長氏が、古巣の投手陣にメスを入れた。盤石とは言い難いメンバーの中で、同氏が先発およびリリーフのキーマンとして指名したのはくしくも揃って今季5年目を迎える右腕2人。未来のエース候補生・宮国椋丞投手(22)と、今季からリリーフに転向する澤村拓一投手(26)だ。

 

【前田幸長 直球勝負】正直に言えば、巨人の投手陣には不安がある。ローテーション入り候補を、ざっと見渡しても確実に計算が立ちそうなのはエースの菅野智之(25)しかいない。

 

 他のメンバーの現状を見れば、それがより鮮明になってくる。内海哲也(32)と杉内俊哉(34)の両ベテランは昨季の投球内容と年齢面を照らし合わせると、ピッチングスタイルの切り替えに苦慮する過渡期にちょうど差し掛かっている。

 

 広島時代からケガの多さがネックと言われる大竹寛(31)に関しても、昨季のように1年間フルに投げられない可能性をまた憂慮しなければならない。4年ぶりに先発復帰する西村健太朗(29)、ともに前レンジャーズの新外国人、アーロン・ポレダ(28)とマイルズ・マイコラス(26)も未知数だ。

 

 その面々の中で遅咲きながら先発として覚醒した26歳の小山雄輝に期待が集まっているが…。私は宮国を先発候補のキーマンとして推したい。まだ22歳だが、今年で5年目。将来のスターと呼ばれて多くのチャンスをもらっても、ここまで生かし切れていない。

 

 この宮国の潜在能力は原監督や首脳陣の誰もが認めている。粗削りなところがあるとはいえ、いい時ならば直球も140キロ代後半で、変化球のキレ、そして制球も申し分ない。加えてけん制やフィールディングでも時折、ベテラン顔負けの巧みなプレーを見せる。あの若さで多くの面においてキラリと光る要素をのぞかせるから伸びしろは当然豊富。だから「磨けば超一流になる」という飛躍の可能性を感じさせるのである。

 

 彼の課題はマウンドでピンチを迎えてしまうと修正が利かなくなる点。一昨年あたりから「打たれだしたら止まらない」と言われ始め、それが彼の自信を喪失させる要因につながっている。克服するには我慢強さを身につけるだけでなく、自分の投球スタイルを確立させなければいけない。

 

 崩れる時の配球を見ていても、逃げの姿勢からストライクゾーンの四隅を突くことばかりにとらわれ、ビビって真ん中に投げづらくなるなど、多くの迷いと改善すべき点がある。その壁をぶち破ることさえできれば…。菅野のような安定感のあるエース級の投手へ変貌するだろう。

 

 一方、ブルペンだが、今季から「勝利の方程式」の大役を担うことになりそうな澤村に、やはり注目したい。早くも新守護神候補の一人と目される右腕にはリリーフ転向で、そろそろ大化けの予感が漂う。

 

 もともと私は彼について、先発よりもリリーフのほうに適性があると思っていた。直線的な性格も短いイニングで鬼のような力を発揮するタイプと言える。“乗っている”澤村ならば、きっと真っすぐだけでも1イニングを抑えられるだろう。グラウンド外ではいろいろあったようだが、今季からの新境地でぜひ精進してほしい。(本紙評論家)