中日・谷繁元信捕手兼任監督(44)が6日、横浜市内で自主トレを公開し、ランニングやキャッチボールなどで汗を流した。指揮官として勝負の2年目を迎えるが「昨年の今の時期よりも前向きな気持ちでスタートが切れている。やってやるぞというのは、もちろんある」と鼻息は荒い。

 選手としては野村克也氏(評論家)の持つ歴代最多3017試合出場まで残り26試合。「それを期待されているのか分からないけど、とにかくチームに必要とされる選手でいたい。その考えは変わらないし、変えるつもりはない。記録を達成したからといって後は任せたとは思っていない」と今季途中での引退をきっぱり否定した。

 チーム内では「木俣OB会長の発言が谷繁監督の発奮材料になっている」と、もっぱらだ。昨年11月のOB総会で木俣達彦会長(70)が「来年(2015年)も兼任監督では大変だと思う。27試合出て新記録を達成したら監督一本で若い人を育てて新しいチームを作ってほしい」とシーズン途中での現役引退を勧めたことだ。

 実は過去にも谷繁監督と木俣会長との間には“遺恨”があった。落合政権時代の11年、ヤクルトの独走を許し、中日は8月2日には10ゲーム差をつけられた。そのシーズン終盤の地元テレビ局の番組で木俣会長(当時は副会長)はヤクルト優勝を予想し、これに選手・谷繁は「絶対に優勝してやろう」と奮起し、本当に巻き返して球団史上初の連覇を達成した。それもあってチーム関係者は「今回も谷繁監督は木俣発言をモチベーションに変えようとしている」というのだ。

「年に10試合しか出られないというならすぐ辞めるけど、まだそうじゃない」と谷繁監督。再び木俣会長を見返す!?