一塁転向・阿部の悲壮公約にG内野陣ピリリッ

2015年01月05日 11時00分

今年から一塁手に転向する巨人・阿部

 これぞ“コンバート効果”か。今年から一塁手に転向する巨人・阿部慎之助内野手(35)に、内野陣からそのグラブさばきが絶賛されている。捕手としてゴールデングラブ賞を4度受賞した捕球術は一塁でも健在で、信頼を集めているとのこと。それと同時に、阿部が現役引退も覚悟で今年のシーズンに臨む“公約”を立てたことが、内野陣にも適度な緊張感をもたらしている。

 

 2年連続を含む4度のゴールデングラブ賞に輝いた阿部は、今年のシーズンから一塁手へ完全コンバートとなる。

 

 昨シーズン、捕手として111試合に出場し、失策はわずかに1で捕逸も3に抑えた。24試合で守備についた一塁でも失策は1だった。秋季練習からは本格的に一塁の守備に取り組み“新天地”でも捕球や送球をそつなくこなしている。

 

 その順応力に内野手陣は「守備位置が変わっても心強い」「ロペス(巨人↓DeNA)もうまかったけども、やっぱり阿部さんのハンドリングの方がうまい」と脱帽する声が続出している。ショートバウンドのさばき方など、捕手とは違うところもあるのだが…。守備には定評があったロペスよりも、阿部のほうが評価は上で「阿部さんなら(送球が)少しそれても捕ってもらえるという安心感がある」とまで断言する選手がいるほどなのだ。

 

 もちろん、阿部なら悪送球しても構わないという甘えは許されない。むしろ「変な球は投げられない」という緊張感が、明らかに高まるという。前出の選手は「とにかく阿部さんはチームの中心にいる方なので、いるといないとでは全然違いますから。安心感はあるけど、きっちり投げないといけない」と気持ちを引き締めている。

 

 阿部は昨年11月30日に行われたファンイベントで、選手生命すらかける覚悟で打撃向上と一塁コンバートに挑む決意を公言している。

 

 自分たちが悪送球を連発してしまえば、阿部の一塁転向に水を差すことにもなる。そのまま本当にチームの精神的支柱を引退に追い込むことになってしまいかねない。

 

 かつて巨人のV9監督、川上哲治氏は現役時、一塁を守っていたが、内野手が少しでもそれた球を投げようものなら「相手の責任」だとばかり、わざと捕らなかったという伝説がある。

 

 阿部のコンバートもそれと同様、内野陣に無言の引き締め効果を与えているようだ。