“第2の中村”出てこい!! 日本一軍団・ソフトバンクで、今や押しも押されもせぬ主力の一人にまで上り詰めたのが、来季でプロ8年目を迎える外野手・中村だ。今季はリーグ最多となる176安打を放ち、チームで唯一のタイトルを獲得。さらなる飛躍が期待されるが、そんな“新安打製造機”は、若鷹ナインの良き見本役としての評価も集めている。

 今季の中村は最多安打の初タイトルを獲得するとともに、3割8厘で2年連続の打率3割をマーク。阪神との日本シリーズ第4戦(10月29日、ヤフオクドーム)でも、延長10回に劇的なサヨナラ3ランを放つなど強烈なインパクトを残したこともあり、新たなシーズンは背番号も「60」から「7」に“大出世”して迎えることになった。

 今や誰もが認めるチームの主力に成長を遂げた中村だが、チーム内からは若手へのお手本役としての高評価も得ている。「本当にたいしたものだよ。誰から与えられたわけではなく、自分の力で勝ち取ったわけだからね。努力はウソをつかないとはよく言うけど、昔から周りがもう休んだらと言いたくなるほど毎日練習していたしね。若い選手は見習ってほしいよね」(チーム関係者)。

 毎年のように補強が行われるソフトバンクでは投打ともに主力の壁が高く、選手のタイプによってはチャンス自体が少ない。今年も一部ナインの間では「いくらキャンプで横一線と言われても、実際のところはそうじゃないですしね」との弱気の声も出ていた。

 ただ、そんな中でも黙々と努力して主力に上り詰めたのが中村だ。優先的にチャンスを与えられたわけではなく“求道者”のような努力を積み重ね、2013年に自力でスタメンに割って入った。そして、真価が問われる2年目も活躍して今の地位を確立した。

 序盤こそ今ひとつの滑り出しで、交流戦ではDH制が使えなかった最初の3試合でスタメン落ちしたが、それでも故障離脱した内川に代わってスタメン復帰。12球団3位タイの交流戦打率3割7分をマークした。結果、シーズン143試合に出場し、見事にタイトルをゲットだ。

 来季の目標として「打率はパッと(数字が)思い浮かばないですが、出塁率を4割以上残していきたいですね」と話す中村。

 投打ともに選手層が厚いチームの中で、若鷹の目指すべき姿としても期待されている。