いきなり3割打者も夢じゃない。ソフトバンク・今宮が22日、ヤフオクドームで契約交渉に臨み、1800万円アップの年俸7000万円で更改した。

 今季は、堅実な守備と確実性の高い犠打を見せ、主力として全試合に出場。だが、課題の打撃が向上せず、打率2割4分に終わった。来季は打率3割を絶対目標に掲げる若鷹。夢物語のようにも聞こえるが、実は心強い成功例があった。

 希望額には届かなかったが、納得せざるを得なかった。「自分の結果を振り返って、打てていないというのがあるので」。打撃向上を課題に臨んだ今宮の今季の打率は2割4分。前年の数字を下回っていた。

 高い壁であることは重々分かった上で「(打率)3割というのは絶対目標においてやっていかなければならない」と今宮は前を向いた。今季も開幕前は手応えがあった。だが「今年のオープン戦はすごくいい形で入っていって、この形だと思ってやっていったが、なかなかできないもんで…」。それでも「やり続けることが形になると思った」という。すぐに結果を出したいが、簡単にはいかないことも理解している。

 ひと山越えるために、今オフも「師匠」に弟子入りする。「遠慮せずに内川さんにガンガン聞いてきます」と年明けの宮崎自主トレを心待ちにしている。3割打つために右打ちの意識をより強く持つ。目をかけてもらった秋山前監督からは「困ったときの右打ち」とよく指導された。「内川さんは右へのバッティングがうまいですし、自分も苦手ではないので、より技術を高めていきたい」と貪欲だ。2割5分も打てなかった選手が、いきなり3割打つというのは並大抵のことではない。だが、今年、今宮を勇気づける成績を残した選手がいる。広島・菊池が前年の2割4分7厘から3割2分5厘とジャンプアップしたのだ。球団も“菊池式打撃開眼”を大いに期待している。小川編成・育成部長は「菊池がいきなり打っているだけに、そういうのを期待している。(今宮は)持っている器からしたら、いいものを出せる」と話した。

 今宮は第2の菊池になれるか。「来季こそ文句なしの成績を残す」と意気込む若鷹の新シーズンへの険しい戦いが、また始まった。(金額は推定)