巨人にまさかの怪情報が浮上した。順調に行けば2年後に国内FA権を取得する長野久義外野手(30)をめぐり、複数球団が水面下で調査に乗り出しているというのだ。先月、右ヒジと右ヒザの手術を終えた本人にとってもまさに寝耳に水。巨人入団までの経緯を考えればFA移籍などありえないはずだが、一体どういうことなのか――。

 球界関係者が声を潜めて語った。「どことは言えないが、長野の本心を気にしている球団がいくつかある。入団の経緯からして生涯巨人と考えて当然だけど、本当にそうなのかは分からないからね。灯台下暗しって言葉もあるわけだから」

 確かに長野といえば2006年に日本ハム、08年にロッテからドラフトで指名されながら「巨人以外はプロ入り拒否」を貫き、09年に晴れて巨人入りを果たした。それだけに球界のみならず、球団内部でも“生涯巨人は当然”の流れがある。

 しかし、前出関係者は「そこが盲点なんだ」という。「今、巨人は坂本の流出阻止ばかりに気を取られているでしょ? 長野がないがしろにされているのは明白。坂本があそこまで上がったならば(4000万円増の2億2000万円)、あらゆる打順をたらい回しにされながら、彼以上の数字を残した長野はどのくらい評価されるのか。今後のそういうところも(他球団は)知りたがっている」。坂本との“格差”をポイントに、長野の心の動きを探りたがっているという。

 今季、主力選手が軒並み不調だったなか、最も安定した活躍を見せたのが長野だ。2番以外の全打順を経験しながら、打率2割9分7厘はチーム1位。負傷もたたって3年連続全試合出場こそ逃したが、村田の68打点に次ぐ62打点を挙げた。

 大トリを務める契約更改で順当な評価を受ければ他球団の思惑も杞憂に終わる。ただ、球団内では「今年は査定がかなりシビアというのが球団内での評判です。久保球団社長もフロントに『選手全体の評価が低すぎるのではないか』と物申したほど。坂本は期待料や“プレーボーイ卒業料”も含まれているようですが、果たして長野がどのくらい評価されているのか」(球団関係者)と長野への低評価を懸念する声も上がっている。

 21日、チャリティー活動のため秋田を訪れた原監督は、手術明けの長野に関して「特別な形でよく話し合いながらスケジュールを組んでいく。僕と2人で話し合うとすごい頑張る(無理を押してやろうとする)からね。第三者を入れながら、どういうスタイルでいくか話し合っていきたい」と“特例措置”を取ることを明らかにしたが…。近日中に行われる長野の契約更改の行方には、ライバル球団の関係者たちも注目している。