国内FA宣言した金子千尋投手(31)の残留を信じて疑わないオリックスはあえて「果報は寝て待て作戦」でいくという。

 オリックスはすでに3年15億円とみられる条件を金子側に提示。獲得に乗り出している楽天、中日、阪神、DeNAなどライバル球団の動きも気になる中、残留を信じてあえてアクションを起こさない方針だ。「自分で納得いくまで考えたらいい。年越し? それでもいい」と西名球団社長。瀬戸山球団本部長は「彼は一生に一度の人生の大きな岐路に立って悩んでいる。ヨソのことは関係ない。ゆっくり待ちます。こちらからアクションを起こすようなことはない。年越しにこだわらない。キャンプまで? そうです。彼の意思を尊重します」とまで話した。

 とはいえ、阪神や楽天は金子サイドが望む将来のメジャー挑戦容認の条件を出していると見られる。その点に関してオリックスは今後も一貫して認めるつもりはなく、この違いが不利に働くことも考えられ、それこそ金子サイドをこれまで以上に説得する必要も出てくるはずだが……。

 球団関係者は「ウチは金子の性格的なことをわかっている。刺激しない方が賢明。好きな彼女に告白したわけだからだまって吉報を待つということ」と話す。金子は人一倍ナイーブな性格で、ゆっくり物事を考えながら動くタイプ。チーム関係者も「口数は多くないけど繊細で、頭でいろんなことを考えている。食事や服装、髪形にも細かいこだわりを持ってるし、あんなタイプはチームにいない」と言うほど。そんな一面を知るからこそ「どやねん、どやねん、と聞いても仕方ない」(瀬戸山本部長)というわけだ。

 金子は17日、自身のブログを更新し「オファーの額をつり上げているわけでもないし、自分の売り時を探っているわけでもないし…。今日も真剣に考えてます」と心中を吐露。ここでもナイーブな面をうかがわせた。早期決着に越したことはないとはいえ、刺激するのは禁物。オリックスにしてみれば、今は黙って見守るのが得策ということだ。(金額は推定)