海外FA権を行使した鳥谷敬内野手(33)の残留を目指す阪神が、年内決着のメドから一転、越年→来年2月のキャンプ中の返答もOK、という事実上の“無期限待機”で吉報を待つ構えだ。

 すでに鳥谷とは11日に2度目の残留交渉を行った阪神。席上で結論は出なかったが、ある球団幹部は自信満々にこう話した。「年内に結論が出るに越したことはないが、ウチは鳥谷が残留してくれるようとにかく待つ。期限とかは設けない。編成面の遅れが出るとか他の選手のポジション変更も絡むから、というけど気にはしない。2月に入っても別にいい。鳥谷を信じて待つだけだ」

 鳥谷にはすでにブルージェイズなど複数のメジャー球団が獲得に興味を示している。予断を許さない中、焦ることなく来年2月まで返事OKとは、一体、どういうわけか。

 実は阪神は改めて日本人内野手・鳥谷の評価、条件が低いことを最新情報でキャッチしている。「ウチが鳥谷に提示した条件は向こう(メジャー)の倍以上。鳥谷は夢だけ追っているのではなく、現実面も重要視している。(代理人の)ボラス氏が『阪神の残留もある』と可能性を示唆したのもそのためだ」(別の球団幹部)

 確かに米球界からの評価は厳しく、メジャー契約の提示があっても複数年契約で2年目は球団に選択権が付くなど、満足できる条件にはほど遠いのが実情だ。一方、阪神では最長4年の年俸4億円が提示されたとみられる。となれば勝機は十分。しかも、最近になってある球団関係者は鳥谷から「僕はメジャーに行くとは何も言ってませんよ」と笑顔で返されたというのだ。

 最終局面を迎えるのはこれから。油断は禁物とあって和田監督は鳥谷流出を想定し、コンバート案が浮上する大和、西岡に「どうなるか不安なままではいけない」と個人面談を実施する意向だ。平田ヘッドコーチも「鳥谷に代わる若手出てこい!」と連日懸命のハッパをかけているが、果たして…。(年俸は推定)