阪神“不治の病”克服のキーマンは史上最強の打撃投手・久保田

2014年12月09日 07時30分

現役時代重い球を投げた久保田氏
現役時代重い球を投げた久保田氏

 今季限りで引退した阪神のかつての最強救援トリオ“JFK”の一人、久保田智之氏(33)が一軍打撃投手として再出発することが分かった。2005年の優勝、07年の年間最多90試合登板、2度の最優秀中継ぎ投手に輝くなど、多くの功労を思えば意外なポストを与えた格好だが、狙いはある。虎の“不治の病”を解決できる最後のキーマンとして期待されているのだ。

 近日中にも打撃投手としての再出発が発表される久保田氏は「チームには長くお世話になっていたし、何かできることをしたかった。もともと、辞めても野球には関わっていたかったし、頑張りますよ。自分が経験したことも伝えたい」と第2の人生の抱負を語った。実績と人気を考えれば、豪華すぎる裏方さんの誕生だが、久保田氏には新任コーチ以上の期待がかかっている。

 ある球団首脳は「久保田の魅力は球のスピードと重さ。ウチは長い間、速球派の投手に弱いという問題が解決できてない。毎年同じ繰り返し。打撃マシンを改良したり、対策をいろいろ講じても効果はなかった。そこで久保田の力を借りた。いずれはコーチとか別のポストもあるだろうが、来年は現役時代同様投げてもらいたい」と狙いを明かした。2位に泣いた今季も広島・前田、大瀬良、巨人・菅野…と速球派の前では借りてきたネコ状態だった阪神。今に始まったわけではない、この“不治の病”を生きた教材に解決してもらおうというわけだ。

 久保田氏にとっても意気に感じる話だ。右ヒジ故障で引退を余儀なくされたものの、05年には当時、球団最速記録だった球速157キロをマーク。「球の重さはまだまだ残っている」(球団関係者)と剛腕の評価は不変で、平田ヘッドコーチも「とにかく投げるのが好きだから。それが心強い」と太鼓判を押している。全盛期のころのキャンプでは毎日ブルペンで投げ込みを敢行し、当時の岡田監督が「むちゃすんな、と言うても聞かんから諦めた」と嘆いていたほどだ。

 強い球を投げてくれる打撃投手ならナインも大歓迎に違いなく、そればかりか、酸いも甘いも知り尽くした久保田氏の経験は、特に中継ぎ陣にとって得るものが多いはず。遠征にも同行するだけにいつでも話が聞ける利点もあるだろう。

 和田監督は「ウチもだいぶ真っすぐに弱いという点を克服しつつある。久保田にも助けてもらいたいね」と話した。“史上最強の打撃投手”にかかる期待は大きい。

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