一塁転向の阿部に心配される“燃え尽き症候群”

2014年12月06日 08時30分

阿部のモチベーションが心配だ

 来季からの一塁手転向が決まっている巨人・阿部慎之助捕手(35)が、9000万円減の5億1000万円でサインした。原辰徳監督(56)に「3割、30本塁打」のノルマを課せられていることもあり「とにかく数字を残して、また契約してもらえるようにやるだけ」と意気込んだが、その裏では“燃え尽き症候群”が懸念されるという。一体なぜか――。

 

「もう振り返りたくないような感じですが、チームとしても悔しい思いもしましたし、個人的にも最後まで数字が伸びず、終わってしまったなっていう…」。今季の打撃成績は打率2割4分8厘、19本塁打、57打点。規定打席達成者で最低打率に終わった阿部は、悔やんでも悔やみきれないシーズンを送った。

 

 来季からの一塁手転向の最大の狙いは、阿部の肉体的負担を軽減させ、持ち前の打撃を復活させること。原監督が「3割、30本塁打が最低ライン」と語ったのもそれを期待してのものだ。しかしチーム内では、コンバートによる阿部の“変心”が懸念されている。

 

「あれほど『50歳までやる』と現役を続けることにこだわりを見せていたのに、気がついたら『2000安打までは』に変わっていたんです。捕手へのこだわりを断ち切ってはいるけど、同時にどこか燃え尽きたものもあるかもしれない」(チーム関係者)

 

 あと15年は現役で…と意気込んでいたものが、あと270本に迫った2000安打へと“下方修正”したことを心配する声が上がっているのだ。

 

 巨人OBの松井秀喜氏からの「たとえ周囲が引退しても長くやってほしい」という言葉と、来年50歳を迎える中日・山本昌の姿に感化された阿部は昨オフに「ボロボロになってもやる」と宣言。「二塁まで(送球が)届かなくてもワンバウンドで投げればいい」とまで語っていたことを考えれば、かなりの変わりようではある。

 

 昨オフまでの考え方は「どれもこれも慎之助が『捕手』だったからなんだよ」と話す別のチームスタッフは、阿部の心境の変化を「確かに捕手、主将とプレッシャーはあっただろうが、コーチ陣が言っていたのは『慎之助は重圧がないとモチベーションを保てない』だった。その一番はやはり『捕手』だった」と解説する。来年からは主将の座も後進に譲ることが決まっており、一気に支えとなっていた2つの重圧を失う。だからこそ心配だというわけだ。

 

 捕手への思いを問われた阿部は「ここまで自分をこういう選手にさせてくれたのも、捕手のポジションだったから…と思います」と淡々とした口調ながら、どこか寂しさも漂わせた。果たして一塁手として打棒は復活するのか。(金額は推定)